薄皮ごとかりっと揚げたピーナツをみそとハチミツで甘辛く味付けた「ピーナツハニー」。20グラムの小袋入りは県内の小中学校の給食でも出されてきた千葉県民のソウルフードだ。4月に成田山新勝寺で行われた将棋の名人戦の昼食に添えられ、「懐かしい」「藤井(聡太)名人も好きかな~?」とインターネット上でも話題を集めた。
名人戦の食事を担当した地元の天ぷら店「國之家」社長の有賀正悟さん(49)が「千葉で育った人なら誰でも懐かしがる、そんな一品があったら面白い」とメニューに取り入れたという。
製造している「富士正食品」(銚子市)は元々しょうゆの醸造元だったが、子どもたちに滋養のあるものを食べさせたいと、地元で家庭料理として食べられていた「ピーナツみそ」を商品化、1964年に売り出した。
さくっとした食感を出すため水分の少ない小粒のピーナツを使用。独自に考案した調味料の配合割合が社外に知られないように、複数の会社に発注した特製のみそを自社でブレンドし、加工している。同社の笹本泰司企画課長(57)によると、低カロリーや低甘味といった流れを受け、配合の微調整を試みたこともあったが、「みそと糖質の割合を少しでも変えるとおいしくなくなることが分かり、先代社長が考えた黄金比を守って味を変えずにやっている」と言う。
小袋のパッケージデザインも変わっていない。殻の中からうれしそうに顔をのぞかせているのは「なんなのか実は社内でもなぞ」「名前もキャラクター設定もない」が、「懐かしい」との声が寄せられる根強い人気を受け、初の商品化が決まった。9月をめどに鋸南町の道の駅「保田小学校」でTシャツなどを売り出す予定だ。【合田月美】
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銚子市高田町4の874。関東のスーパーや道の駅などで販売。通販では20グラム入りの小袋40個セット(税込み1512円)が人気。0479・33・1271。
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