学校で飼育されている「ウサギ」は、夏休み期間中は、教員たちが交代で世話をするケースがあります。

そんな現状を変えようと、京都ではある新たな取り組みが始まりました。

■夏休み期間のウサギの世話…教員がボランティアで世話

幼稚園や小学校で飼育されているウサギ。

「子供たちのアイドル」で、時には「命の大切さを教える先生」として親しまれてきました。

そんなウサギたち、「夏休みの期間」はどうしているのかというと…。

【教員】「ごめん、ごめん、ちょっとお掃除するね」

教員がボランティアで世話をしています。

■文科省は「動物の飼育は学校に委ねている」 これまで「働き方」の観点からは議論されず

京都市立境谷小学校に8年前にやってきたウサギ、人なつっこい「バニラ」と、ちょっぴり人見知りの「チョコ」。

夏休みのおよそ2週間は、教員が交代で飼育、長期の休みが取りにくく大変ですが、ウサギの様子も気がかりだといいます…。

(Q.このためだけに学校に?)
【教員】「そうです。それだけで。みんな心配している、かわいい子たちなので。日々子供たちも関わっているし、気持ちの上では、そんなに負担はないですけど…」

文部科学省は動物の飼育に関して、「何を、どう飼育するか」を学校に委ねているのが実情で、これまで「働き方」の観点からは議論されてきませんでした。

■教員の負担軽減のため 「ウサギを動物病院で預かる」全国でも珍しい取り組み

教員の負担を減らすため、大阪府内ではウサギを飼育する小学校の数が年々減少しています。

京都の境谷小学校でも「ウサギの飼育自体をやめることはない」としていますが…。

(Q.働き方と動物飼育の関わり合い難しい?)
【京都市立境谷小学校 山野真里子校長】「永遠の課題かもしれません。教育活動の中で育てているものなので、教育活動外の時間をどうするかが、働き方改革と大きく影響するのかなと。今の時代にあった働き方を、教員の方も考えていかなくてはならない」

こうした状況を変えようと、京都市で始まったのが、夏休みの最大2週間、ウサギを「動物病院で預かる」という、全国でも珍しい取り組みです。

【京都市立堺谷小学校 山野真里子校長】「今から行くよ、涼しいとこ行けるし、よかったね」

境谷小学校も「バニラ」と「チョコ」を預かってもらうことに。

なんだか不安げな様子ですが、、無事ケージに入り、動物病院へ!

■「働き方」以外のメリット ウサギの熱中症リスクが減らせるか

京都市教育委員会によると、教員たちが出勤する機会を減らすのが狙いで、ことしは市内の小学校や幼稚園、合わせて37匹のウサギを受け入れます。

また「働き方」以外のメリットも。

厳しい暑さが続く中、屋外の小屋で過ごすとウサギが熱中症になるリスクがありますが、病院では温度調節が可能で、丁寧に日々の健康管理ができるのです。

【京都市立堺谷小学校 山野真里子校長】「サマーバケーションや、涼しい所で過ごしてな」

これで「バニラ」と「チョコ」の世話で出勤することはなくなりました。

【京都市立堺谷小学校 山野真里子校長】「学校の中の当たり前がどうなのか、見直すきっかけになったと思います。必要なものは残していくし、不必要なものはなくしていく。変えていくのが働き方改革に、つながるかなと個人的には思います」

京都市教育委員会は、預けたことによって「ウサギの体調に問題がないか検証して、今後の実施についても検討したい」としています。

(関西テレビ「newsランナー」2024年8月13日放送)

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