イメージ写真=ゲッティ

 浜銀総合研究所(横浜市西区)が、子育て世代の女性の働きやすさを指標化して調査したところ、47都道府県中、神奈川県は37位だった。浜銀総研では、神奈川の場合、保育所や学童保育施設などへの子どもの預けにくさが課題だと指摘している。【葛西大博】

 同総研では、子育て世代(25~49歳を想定)の女性の働きやすさについて定義。公的保育サービス▽私的な保育▽男女間格差――の三つの要素で決まるとした。

 この三つの要素について、厚生労働省や総務省などが公表する統計資料から、保育所定員率や、男性の家事育児負担率、男性の育児休業等利用比率など九つの指標を作成。都道府県別に比較した。

 女性の働きやすさトップは高知で、次いで鳥取、島根、秋田と続き、最下位は三重だった。この順位は、子育て世代の女性の有業率と関連性が高く、子どもがいる女性が働きやすい地域では女性の労働参加率が高いということになる。

 首都圏では東京が14位、千葉が29位、埼玉が46位だった。大企業が多い東京は、女性の正規雇用や男性の育児休業の利用割合が全国で最も高く、順位を押し上げた。

 37位の神奈川の場合、保育所定員率(46位)や学童保育保育登録率(44位)、三世代同居率(44位)といった子どもの預けやすさに関する数値が他の都道府県に比べて特に低かった。また、女性の管理職比率が低く、男女間の賃金格差が大きいといった特徴もあった。

 指標を作成した浜銀総研の遠藤裕基上席主任研究員は、「県内では、子どもを保育所に預けられなかったり、小学校に上がっても学童保育に預けられなかったりと、どこかの段階で働き続けることを諦める女性が他の都道府県に比べて相対的に多いことが課題だ。以前よりも良くなっているが、改善の余地がある」と指摘する。

子育て世代の女性の働きやすさ

順位 都道府県

 1 高知

 2 鳥取

 3 島根

 4 秋田

 5 青森

 6 福井

 7 富山

 8 山形

 9 新潟

10 徳島

11 佐賀

12 岩手

13 奈良

14 東京

15 福島

16 石川

17 長野

18 沖縄

19 山梨

20 長崎

21 岡山

22 大分

23 栃木

24 和歌山

25 鹿児島

26 宮崎

27 宮城

28 茨城

29 千葉

30 山口

31 広島

32 愛媛

33 香川

34 京都

35 滋賀

36 福岡

37 神奈川

38 熊本

39 群馬

40 静岡

41 兵庫

42 北海道

43 愛知

44 大阪

45 岐阜

46 埼玉

47 三重

 ※浜銀総研作成

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