“映える”写真が撮れるとSNSで話題になり、有名アイドルグループがミュージックビデオのロケ地として使用したことからも人気が高まっている、あわら市のひんやりスポットを紹介します。
 
佐々木拓哉アナウンサー: 
「あわら市の金津創作の森に来ています。手元の温度計は37.3度と、とても暑くなっています。この後ひんやりスポットに地元のガイドに案内していただきます」
 
案内をしてくれるのは、あわら市細呂木地区創成会・酒井敏雄会長です。
 
「はい、これライトとヘルメット」と出会って早々、次々と手渡された道具を手に向かうのは…「山の中です」と酒井さん。

佐々木アナ:
「山の中ですか!わかりました。ではヘルメットを装着して行きたいと思います!」
 
炎天下の中「ひんやりスポット」を目指して、案内してもらいます。「きついな」と漏らしながら息を切らして山道を登ること20分。
 
案内されたのは山の中の小さな洞窟です。中からは冷気が漏れ出しています。
 
佐々木アナ:
「こちらには何が?」
 
酒井さん:
「詳しいことは中でお話しますけど、30メートルのトンネルになっています。じゃあ準備がよろしければご案内します」
 
足を踏み入れると、洞窟内には暗闇が広がっています。

佐々木アナ:
「暗いですね。涼しい風が…」
 
「気を付けてね。下滑るから.」と酒井さん。暗闇に少しためらいながらも、ライトの光を頼りに洞窟の中を注意深く進んで行くと、奥にうっすらと光が差し込む場所が見えてきました。
  
佐々木アナ:
「ここですか?すごい!」
  
四方にそびえる岩の壁、コケむした岩肌、そして木々の間をすり抜け、暗闇に日の光が差し込む様子は、まるで神殿にいるかのような何とも神秘的な空間が広がっていました。
  
佐々木アナ:
「異世界みたいな空間ですね。光が差し込んできているのが良いですね」
 
ここは「宮谷石切場跡」。全体が岩山になっていて、石を切り出して建物の土台をつくる石に使われていました。明治20年頃から昭和20年代後半まで、石を切り出す場所として活用されていました。宮谷石は加工しやすく、火に強いのが特徴で、家の基礎をつくる建築資材として使われていたほか、地元の人たちは火鉢に加工することもありました。その後、コンクリートの普及で需要が減り廃坑となりましたが、約70年が経った今でも、当時の様子がそのまま残されています。
 
佐々木アナ:
「本当にひんやりしますね。体感も全然違います」
 
佐々木アナが手元の温度計を見てみると…「21.2度!さっきと15度くらい違う!別の地方に来たような感じですね」「もう外に出るの嫌になるでしょ」と酒井さん。
 
なぜここまで気温が違うのかについて、酒井さんは「ここは土の中で、岩山をくり抜いた状態なのがひとつの要因なのと、木の葉が洞窟をおおい緑のカーテンで閉じているような感じになってるので、冷気が保たれている」と説明します。つまり、緑がある時期ならではの気温差だと言います。
  
5年ほど前までは、ほぼ知られていなかったこの場所ですが、幻想的な美しさがSNSを中心に話題に。最近では、有名アイドルグループのミュージックビデオのロケ地としても利用され、さらに注目度が高まっています。今では県内外から年間1000人ほどの観光客が訪れ、結婚式の「前撮り」をする人もいるそうです。
  
今後について酒井さんは「多くの人に見てもらいたいとは思うが、一挙に多くはならないでほしい。じっくりと、何万年もかかってできた石切り場ですから、ゆっくりと永く付き合っていただけるような場になってほしい」と話します。
  
佐々木アナ:
「とても癒やされる空間でした。ありがとうございました」
 
あわら市の「宮谷石切場跡」は、人の営みと自然の力が織りなす、壮大なひんやりスポットでした。

 
【宮谷石切場跡】
▼私有地のため体験には事前予約が必要
▼利用日:木曜から日曜(10人以上の団体は火・水も予約可能)
▼参加料金:1人2500円(小学生1000円)
▼アクセス:金津創作の森美術館から徒歩で約20分
▼申し込み:ウェブサイト「ぶらっと細呂木」から https://www.hosorogi.com/
▼問い合わせ先:細呂木地区創成会 090-4069-0126

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