出産前・出産後のお母さんの不安や悩みをいつでも気軽に助産師などに相談できる場をつくる。そんなサービスを新潟市の企業が始めました。子育てしやすい環境づくりの一助になるでしょうか。
■心身のケアや育児のサポート行う“産後ケア”
この日、助産師の高橋萌さんが訪れたのは、生後4カ月の息子を育てるお母さんの自宅です。
【ファミくるケア助産師 高橋萌さん】
「4カ月検診だったんですよね、どうでした?」
【生後4カ月の息子の母 畑中菜々恵さん】
「順調だねと。体重が増加していて…」
新潟市から委託され、お母さんの心と身体のケアや育児のサポートを行う“産後ケア”を担っています。
【畑中菜々恵さん(高橋さんへの相談)】
「涙目になりやすくて、目薬をもらって来たんだけど(息子に)差すのが難しくて…」
【畑中菜々恵さん】
「本当に小さいことが何でも不安になっちゃう。ネットだと正解が分からず、不安が増していくばかり。かと言って、病院に問い合わせることでもないような内容もたくさんあるので、助産師に話せるのはよかった」
■“オンライン”で妊娠や育児の不安・悩みを相談!
しかし、新潟市では産後ケアを受けられる対象は現状、原則、生後半年まで。
妊産婦が悩みや不安をいつでも気軽に打ち明けられる環境が少ないのではないか…そんな課題を産婦人科のクリニックで働く中で感じていた高橋さんはあるサービスを始めました。
【ファミくるケア助産師 高橋萌さん】
「皆さん、どこに相談したらいいか分からなくて困っている現状をすごく感じていて、すべての人に、当たり前のように、気軽につながれる助産師・専門家がいたらいいなというか、あるべきだろうなと」
今年3月に開始したサービス「ファミくる」。
【杉山萌奈アナウンサー】
「産前・産後のお母さんを支援するオンラインサービス、ファミくるの画面を見てみると『1日に胎動はどのくらいあるのが普通?』『卒乳の時期はいつ頃?』など様々な質問が寄せられています。これに対して、助産師が一つ一つ回答をしています」
会員が投稿した相談やビデオ通話に医師や助産師が応じ、妊娠や育児の不安・悩みの解消につなげようというもので、約450人が会員登録しています。
■“産後うつ”になる前に…気軽に相談できる場を
【生後6カ月の息子の母 森麻未さん】
「きょう、やっと寝返りができるようになったが、反対の寝返りができない。片方ばかり」
第一子を育児中の森麻未さんは15分の間に次々と質問を投げかけていました。
【森麻未さん】
「分からないことは1週間レベルでたくさん出てくる。オンラインで気軽にいつでもつなげていただけるのがすごくありがたい。まだ小さいと、お出かけ訪問は授乳やお昼寝の時間の調整が必要になるが、時間調整が必要ないのでありがたい」
4人に1人がなるという調査結果もある“産後うつ”。決してまれなことではありません。
【生後4カ月の息子の母 畑中菜々恵さん】
Q.産後うつのような状態になるかもしれないと思ったことは?
「すごく不安な気持ちになることが想像以上に多くて、こんな不安な気持ちに自分でもなるんだとびっくりした。気軽に相談できるのはありがたいし、気軽にできるのは大事だと思う」
産後うつなどになる前に不安を取り除くツールへ…
【ファミくるケア助産師 高橋萌さん】
「未然に防ぎたい。医療者が直接不安を解消していくところが一番大きな役割だと思う。1人で悩まずに発信してもらえたら。みんなでママたちをサポートしていきたいと思っているので、日常の中で使えるサービスを認知してもらい、気軽に使っていただけるといい」
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