日本勢の活躍に沸いたパリオリンピック。頑張っている選手たちの姿を見て、「よし、自分も!」と、ウォーミングアップを始める人も多いのではないだろうか。

すぐに始められそうなスポーツといえば「ランニング」。

とはいえ、今年も過酷な暑さが続く毎日。猛暑の中でのランニングのポイントを、青山学院大学陸上部の原晋監督に聞いた。

■経口補水液がおいしく感じたら要注意!

水分補給
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青山学院大学陸上部 原晋監督:夏場は脱水症対策から。

水分のとり方は体にとって非常に大切です。まずはランニング開始の30分前に、250ミリリットル程度の水分を摂ってください。これは、開始時点での体内の水分量を満たすためです。足りていないと、走り始めてすぐに脱水症状に陥る危険性があります。

ランニング中は1回200ミリリットル程度を、仮に1時間走るとして、2~4回補給して下さい。また、水だけでなく、ミネラル補給のためにスポーツドリンクも飲んだ方が良いでしょう。スポーツドリンクは、常温より、少し冷たい5~15度が、吸収速度が速いとされています。

そして、もし「脱水症状かな?」と思ったら、経口補水液を飲んでみてください。おいしく感じる時は、脱水症状が進行している可能性が高いです。

■水分補給は「ごく、ごく、ごく、ごく」1回150ミリリットルが目安

青山学院大学陸上部 原晋監督:マラソンに限らず、普段の生活でも水分補給は大切です。しかし、暑いからといって、がぶ飲みはいけません。内臓疲労につながります。

目安として、起床後、仕事の合間、入浴の前後、就寝前などは、1回150ミリリットル程度の水分をとるのが良いでしょう。「ごく、ごく、ごく、ごく」と4回ぐらい飲んだ量がおよそ150ミリリットルです。

また、特に夏場は尿の色もチェックして下さい。濃い色の場合は脱水の疑いがあります。

■朝か夕方の涼しい時に、少しずつ体を慣らす

青山学院大学 原晋監督

青山学院大学陸上部 原晋監督:今年もまだまだ猛暑が続きそうです。

ランニングは、朝か夕方の少しでも気温が低くなる時間帯に行って下さい。

青学大駅伝チームの通常の練習でも、真夏は朝と夕方の練習のみ、日中に活動することは避けています。

そして、いきなり長時間、ハイペースで行うのはやめましょう。当たり前のことのようですが、軽く見てはいけません。

■ランニングウェアは袖なし薄い色 サングラスの着用を

青山学院大学陸上部 原晋監督:服装は、袖なしのランニングシャツなど風通しの良いもの、色は黒ではなく薄いものを着用してください。

袖がないものは、通気性に優れて熱を外に出しやすく、また汗を吸っても軽いです。濃い色の衣類は、すぐに表面温度が高くなってしまうので、避けた方が良いでしょう。

そして必ずサングラスを着用してください。目から浴びる紫外線は疲れやすくなるだけでなく、目の病気にもつながるので危険です。

■真夏のランニングに負けない体は「規則正しい生活」から

青山学院大学 原晋監督

青山学院大学陸上部 原晋監督:色々と注意すべきことはありますが、やはり大前提として、日頃からの規則正しい生活、「睡眠」「食事」「入浴」の3つをすべて十分に行うことが大切です。

・睡眠:最低でも6~7時間の睡眠をとる。
・食事:夏バテでも冷たいものばかりを食べたり、あっさりした食事のみにしない。よくかんで食べる。
・入浴:暑い中でもシャワーだけで済ませず、疲労回復のために入浴を行う。

こういった基本的なことを、季節に関係なく、毎日ずっと続けることで、真夏のランニングに負けない体が作られると思います。

健康のためにランニングを始められる方も多いと思います。しかし、この灼熱(しゃくねつ)下での運動は危険を伴い、逆に運動したことで健康を損ねることも考えられます。

自分の無理のない範囲で、例えば冷房の効いた室内でランニングマシーンを使っての運動や、ランニング以外のダンスやヨガでの身体作り。

仲間とワクワクしながら健康的な身体作りを行いましょう。食欲の秋が楽しみですね。

(関西テレビ 2024年8月17日)

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