民間の信用調査機関・帝国データバンクによりますと、長野県東御市の田中製材工業が8月20日付けで事業を停止し自己破産の申請を検討していることがわかりました。

同社は1948(昭和23)年創業の木造建築工事業者です。

無垢材を使った木組みの伝統工法による木造住宅の建築工事などを請け負うとともにこれらに用いる製材や設計も手がけていました。

オリジナルブランドの住宅「キグミノイエ」を展開し、2020(令和2)年9月期には年売上高約9200万円を計上していました。

しかし、伝統工法へのこだわりで工期は長期に渡ることが多く、年間新築棟数が少ないため収益性が乏しいことから財務面は債務超過が続いていました。

そうした中、「木育」をテーマにした体験型複合施設「ミマキウッドラボ」を計画。木工教室やコワーキングスペース、DIY体験、キャンプなどが可能な施設で、利用収入などによる収益性の改善を目指していました。

しかし、新型コロナウイルスの影響もあって資材調達の遅れなどが生じ、オープンは予定より半年遅れの2023(令和5)年3月にずれ込みました。

こうしたことから2023年9月期の年売上高は約8500万円にとどまり諸経費の負担が増加したほか、追加の資金需要も発生したことで資金繰りはひっ迫。先行きの見通しが立たなくなり事業継続を断念したとみられています。

帝国データバンクでは、負債は調査中で、2023年9月期末時点で約3億6700万円でしたがその後変動している可能性があるとしています。

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