原爆投下から79年となった長崎市では、爆心地公園の近くを流れる川に140個の紙灯籠が浮かべられた。灯籠は世界中の子供達が平和への祈りを込めて制作したものだ。
世界中の子供たちの平和への想い
平和を祈る紙灯籠は民間の社会奉仕団体「長崎キワニスクラブ」が世界平和を願って2021年から毎年行っている。2024年は7月に純心中学校の生徒や長崎大学のボランティアサークルの関係者が集まって制作した。
この記事の画像(7枚)長崎や沖縄のほか、アメリカやスイス、タイなどの世界中から、200を超える子供たちの願いが届いた。
「PEACE」「LOVE」などの言葉や写真が寄せられ、みんなで土台に貼り付けた。灯籠の素材は長崎と広島に届いた千羽鶴の再生紙が使われている。
例年、ウクライナやパレスチナのガザ地区の子供達からも絵が届いているが、2024年は制作には参加できず、紛争の緊迫度合いが伺えた。
この現状について担当者は「世界の子供たちが平和への思いを表現するプログラムなので、ウクライナやガザ地区の子供たちの思いをぜひ発信したかった。それだけに今回参加ができなかったことは大変残念。両国とも子供たちを集めてのワークショップを開催できるような状況になかったということなので、大変胸を痛めている」と話す。
灯籠流しで平和を願う
8月11日の夜、完成した灯籠を爆心地公園の近くを流れる下の川に浮かべた。当日は「長崎キワニスクラブ」や長崎大学のボランティア団体のメンバーなど約50人が参加。完成した141個を参加者の手で川に放していった。
長崎キワニスクラブの浦川麻衣子さんは「子供たちや未来の子たちに向けて、戦争がない国、世界がずっと続きますようにと思って、毎年流している」と話す。
LEDで優しく灯され灯籠が川に浮かぶと、参加者は静かに手を合わせていた。回収された灯籠は後日、長崎原爆資料館に展示される。関係者は「灯籠流しプロジェクトをもっと拡げて、難民の子供たちにこそ参加してもらいたいと考えている。多くの人に見て、知ってもらいたい」としている。
(テレビ長崎)
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