サバやアジなどの魚介類に寄生する「アニサキス」が原因の食中毒が増えているとして、福岡県は予防の徹底を呼びかけています。

アニサキスの幼虫はサバやアジ、サンマ、イカなどの魚介類の内臓や筋肉に生息し、体長は2~3センチ、白色で少し太い糸状をしています。

アニサキスの幼虫による食中毒では、寄生する魚介類を食べた後、数時間から十数時間後にみぞおちに激しい痛みが出たり、吐き気や嘔吐などの症状を引き起こします。

福岡県によりますと、県内で発生した食中毒は22年に81件、23年に87件と増えていて、このうちアニサキスを原因とした食中毒はそれぞれ53件、51件と半数以上を占めています。

今年も21日までに43件の食中毒が発生し、そのうち20件がアニサキスが原因だということです。

一方、県内のアニサキスを原因とする食中毒は2014年から2021年までは0~18件で推移しており、近年増えている原因について県は、日本列島の周辺で海水温が上がって魚の回遊ルートが変化していることや、輸送技術の向上で冷蔵状態での長時間輸送が可能になり、時間の経過に伴って魚の内臓から筋肉にアニサキスが移動することなどを挙げています。

アニサキスによる食中毒の半数以上は飲食店や販売店で発生していることから、予防するには新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除いて魚の内臓を生で提供しないことや、目で見てアニサキスの幼虫を取り除くことが有効だとしています。

さらにアニサキス幼虫は食酢や塩漬け、しょうゆやわさびでは死滅しないため、マイナス20度で24時間以上冷凍するかしっかり加熱(70℃以上、または60℃なら1分)するよう呼びかけています。

県は28日に福岡県飯塚市のイイヅカコスモスコモンで「食中毒予防シンポジウム」を開催し、予防の方法などを広く伝えることにしています。

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