福岡県内で飼育されているブタが、蚊が媒介して人に感染する日本脳炎ウイルスに感染していたことがわかり、県は注意を呼びかけています。

県によりますと8月5日に県内で飼育されているブタ10頭を調査したところ、10頭すべてが日本脳炎ウイルスに感染していたことがわかりました。

日本脳炎ウイルスは「コガタアカイエカ」という蚊が感染したブタを刺したあとに人を刺すことで人にも感染します。

日本脳炎ウイルスに感染してしまうとどんな危険性があるのでしょうか?

◆しんどう小児科 進藤静生院長
「日本脳炎は名前が『脳炎』。ウイルスが脳の方に行く意識障害とかけいれんが起こったりとか熱が高くなったりとか、最悪の場合は亡くなる方もいらっしゃる」

発症後の致死率は高く20~40%に上りますが、進藤医師はワクチン接種によって感染リスクを大きく下げることができると話します。

◆しんどう小児科 進藤静生院長
「予防接種さえしてれば、まずは心配ない。一般的に95%以上防ぐことができると言われています」

日本脳炎は予防接種法で定期接種の対象となっています。

あわせて4回のワクチン接種が必要で、国が示す標準的な接種スケジュールは3歳で2回、4歳で1回、9歳で1回となっています。

ただし3歳未満で感染した例もあることから、県内では生後6か月以上であれば希望すればいつでも初回の接種を受けることが可能です。

◆しんどう小児科 進藤静生院長
「僕は早めに接種する方がいいと思って、6か月過ぎた子には勧めています」

また、2021年にワクチンの供給不足が生じたことなどから「接種漏れ」にも注意が必要です。

◆しんどう小児科 進藤静生院長
「母子手帳で接種歴がわかる」

Q.もし接種していない人がいたら?
「すぐにでもされた方がいいですよ。少し涼しくなってくると蚊もいっぱい出てきますので、そのあたりが注意点じゃないかと思います」

◆全国で毎年5人前後が感染

県内で日本脳炎の感染が最後に確認されたのは2012年ですが、全国では毎年5人前後の感染が報告されています。

県は特に外で活動するときは皮膚の露出を避けて、虫よけスプレーを使うなど蚊に刺されないよう注意を呼びかけています。

◆「接種漏れ」は2つの年代で注意

「接種漏れ」については特に注意が必要な年代があります。

ひとつは1995年から2007年生まれの人です。

2005年から数年間は旧ワクチンから現状のワクチンに切り替わるタイミングで厚労省が接種の積極的な推奨を控えていたためです。

ふたつめは今年の小学校1年生と小学校6年生です。

こちらは2021年にワクチンの供給不足が起きたため、未接種の可能性があるということです。

そして蚊に刺されないようにすることも対策の1つです。

蚊は夏のイメージがありますが「アカイエカ」が好む温度帯は20℃から30℃で、夏が終わるこれからの季節がまさに蚊の活動のピークになります。

屋外で活動する際は皮膚の露出を避けて虫よけスプレーを使うなど対策を心がけましょう。

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