大勢の観光客らでにぎわう上高地の河童橋と穂高連峰(奥)=長野県松本市で2023年8月22日、手塚耕一郎撮影

 旅先でつい、心引かれるモノやコトはありますか――。JTB総合研究所(東京都品川区)が年1回以上、観光旅行をする人を対象に調査したところ、6割超の人に「心引かれる」ような関心事があった。通常の観光旅行では訪れない意外な場所も挙がり、楽しみ方の広がりが浮かび上がった。

 「旅先でつい惹(ひ)かれてしまうことはあるか」との質問に対し、「足が向かってしまう店や場所がある」、「探してしまう・集めているモノやコトがある」のいずれかを回答した人は計65・5%。3人に2人の割合で、何かしら心引かれるモノやコトを持っていた。

 その詳しい内容(複数回答)として最も多く挙がったのは、「ソフトクリームがあったら食べる」(男性37・1%、女性33・7%)。続いて「街道歩きをする」(37・1%、31・9%)▽「その土地のカフェ、喫茶店に行く・探す」(27%、27・8%)が多かった。

 数は多くないものの、ちょっとユニークな行動も挙がっている。

 「マンホールの写真を撮る」という人が男女とも10・3%。蓋(ふた)にその土地独自の絵柄がデザインされたご当地マンホールもあり、芸術作品として写真を収集するファンもいる。

 また、自然が織りなす芸術作品として鑑賞するのか「地層を探す」(6・6%、5・1%)という人も見受けられた。

 JTB総研はさらに聞き取り調査も実施し、関心事をより深く調べている。

 一番人気だった「ソフトクリーム」について、40代女性は「見たことのない材料で作られていると思わず買ってしまう」と、要因を分析する。

 訪問先として「地元のスーパー」(50代女性)や「古道具屋」(20代男性)を挙げた人もいた。「珍しいモノがある」「文化に触れられる」といった理由が語られており、その土地ならではの出会いを楽しんでいる様子がうかがえた。

 調査は8月上旬、20歳以上の男女1949人にインターネットで実施した。【嶋田夕子】

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