全国的に感染者が増えている「マイコプラズマ肺炎」は、特に子供たちを中心に感染が拡大しています。感染したらどう対処すればよいのか、丸田佳奈医師に伺います。
Q.どうして子供の感染が多い?
産婦人科医の丸田佳奈医師:
「分かってないことも多いんですが、マイコプラズマ肺炎はコロナほどすごく広まりやすいようなタイプのものではないんです。どちらかというと、例えば集団生活とか家庭内とか、割と接触が多いところで起こってくる。たまに保育施設や学校内でバッと広まってしまうことがあるので、子供の感染が多い1つの要因と思われます」
Q.3~4年周期で広がると聞くが、これには理由がある?
丸田佳奈医師:
「分かっていないんですが、マイコプラズマ肺炎は1回感染すると免疫は確かに獲得できるんですけど、ずっと一生続くわけではないので、数年でやっぱり免疫は落ちてきますから、そのタイミングでまた感染する可能性が出てくるということですね」
Q.家族1人が感染した場合、隔離した方がいい?
丸田佳奈医師:
「接触しないに越したことはないです。その方がうつりにくくはなります。ただ隔離するのは非常に大変なこと。それに比べて、マイコプラズマ肺炎は『歩く肺炎』という言葉もありましたけど、意外と大多数の方が軽症で、重くならずに自然に治癒するんですね。そういったことを考えると、最低限の感染対策で、例えばタオルや食器を共有しないとか、明らかにせきがある時はもらってしまう可能性があるので、お互いマスクをするといった対策でいいと思います」
Q.症状があっても、病院に行かずに放っておいて大丈夫?
丸田佳奈医師:
「軽症の場合は、本人は辛いですけど、自然に治まってくることが多いんです。ただ症状が重いとか、心配事があるといった場合は受診する。せきがすごく長引いている場合は、通常は対症療法で解熱剤などを使って治るんですけど、場合によっては抗生物質を使わなきゃいけない時があるので、そこは医者の判断に任せた方がいいと思います」
Q.専門の薬はない?
丸田佳奈医師:
「重症化した場合は抗生物質を使うことがあるんですが、他の細菌と違って全般的な抗生物質が全て効くわけじゃないです。効く抗生物質が限られていて、それもむやみやたらに使ってしまうと耐性菌というのができてきて、その抗生物質が効かなくなってきますから、必要な時に使うというのが大切になってきます」
Q.市販薬は効果がない?
丸田佳奈医師:
「マイコプラズマ肺炎で多い症状は熱とせき、場合によっては鼻水やたんが出たりしますので、そういった症状を抑えるために市販薬を使うことは悪くはないです。ただ子供の場合は、市販の解熱鎮痛剤は気軽に使えなかったりもするので、薬が欲しいなと思ったら受診してもいいと思います」
Q.市販のせき止めでもいい?
丸田佳奈医師:
「なかなかピタッと治まるようなせき止めってないんです。それは処方薬でもそうなので、やはり人にうつさないように、軽症であれば自然に治りますから、ちょっとせきは長くて3~4週間続くこともあるんですけどいつかは治りますので、その間、人にうつさないように、もらわないようにすることが重要かと思います」
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