昨年2月に水槽破損事故があった滋賀県立琵琶湖博物館(草津市下物町)で、修復工事をしていた「トンネル水槽」の公開が23日から再開される。先立ってあった内覧会では、約1年ぶりに水を満たした水槽を元気に泳ぐ魚を、親子連れらが興味深く見守っていた。【礒野健一】
事故はビワコオオナマズを展示する大型円筒水槽のアクリルが破損し、水約100トンが流出。その後の調査で同水槽を含む計13基の水槽に亀裂や劣化が見つかり、修復の必要があるとわかった。
県は昨年度、約4300万円の予算を計上し、トンネル水槽など10基の修復工事を行った。だが、より良い水族展示をしたいと、同館は昨年11月から今年1月にかけて修復費用を募るクラウドファンディング(CF)を実施。目標額500万円を大きく超える1159万3000円が寄せられた。また、CFとは別に県内外の企業など14団体から計1205万円の寄付も集めた。
21、22の両日にあった内覧会には、CFでトンネル水槽内覧会参加コースに寄付をした支援者や、企業関係者ら約40人が参加した。同水槽は琵琶湖で取水して濾過(ろか)した水を約400トン注ぎ、琵琶湖固有種のイワトコナマズやビワマスなど11種約750匹を展示する。内覧会では参加者が水槽上部のバックヤードから魚を入れ、公開再開を祝った。大阪府高槻市の20代男性は「小学生のころから何度も来ていて、水槽復活の力になりたいとCFに協力した。とても貴重な体験ができた」と喜んだ。
23日から公開されるのはトンネル水槽のほか、「よみがえれ!日本の淡水魚」コーナーとビワヨシノボリ水槽の3基で、残り7基は工事完了後、随時公開する。破損が大きいビワコオオナマズ水槽の修復は新たにCFを募り、来年度中の公開再開を目指す。同館の亀田佳代子館長は「多くの支援で水槽再生を果たすことができ、ありがたい。より一層安心して見てもらえる展示を心がけていく」と感謝した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。