夏休みも終盤。最後の思い出作りに海に出かけるという方も多いと思うが、ことし、各地の海で強い毒を持つという”危険な生物”が出没している。

夏といえば海! 関西屈指のビーチ白良浜海水浴場も今月上旬、大勢の人で賑わっていた。

【動画】海の危険生物「カツオノエボシ」に注意 毒は非常に強力 死に至る可能性も 台風後に多く発見

海水浴客:(Qどこから来られたんですか?)大阪で~す。

 海水浴客:(Q白浜の海は?)サイコー!

 みなさん、夏をエンジョイしているようだが、今、各地の海で、ある危険生物が多数、発見されている。

鮮やかな青い色とぷくっと膨らんだ形が特徴のクラゲ。その名は「カツオノエボシ」。

烏帽子(えぼし)の形に似ていることからこの名前がついたそうだ。

白良浜海水浴場でも海水浴シーズンに入り相次いで発見された。

■例年8月から9月の台風シーズンに発見される

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白浜町役場・観光課 滝本斉さん:波と一緒に波打ち際にバーっと1匹、2匹あがってきまして。先月の三連休に数十件打ちあがったという報告があったが今は落ち着いている。例年8月入ってからクラゲは多くなるので、ちょっと早いなっていう印象はありました。

 例年、8月から9月の台風シーズンに発見されることが多いということだが、ことしは神奈川県や宮城県、徳島県など全国各地ですでに確認されている「カツオノエボシ」。

千葉県で、サーフィン中にカツオノエボシとみられる青いクラゲに刺されたという男性は…

カツオノエボシとみられるクラゲに刺された人:右腕の前腕、ひじから下に青い糸みたいなのが3周くらい絡まって取れなかった。 チクチクするのとミミズ腫れになっているからかもしれないですけど、火傷みたいなジンジンする感じですね。 まさか刺されるとは思ってなかったですし、お盆過ぎたら気を付けようと思ってたんですけど。

カツオノエボシが持つ毒は非常に強力で、刺されると最悪の場合、死に至る危険性もある。

今月に入り、関西でも和歌山の那智勝浦町や新宮市でも発見され、海水浴場が一時遊泳禁止になる事態に。

新宮市では、ドローンを使った入念な調査が行われた。

職員が「遊泳禁止」の海水浴場を調査をしていると… 遊泳禁止にも関わらず思い切り泳ぐ男性の姿が!話を聞いてみると…

泳いでいた人:僕はもう毎朝泳いでるんですけど。

泳いでいた人: (Q遊泳禁止になってますが…)今回の件は騒ぎになるほどのものじゃない。通常、裸で泳ぐんですが、(クラゲの)触手に触ったことも何回もありましたが、ちょっとチクっとするけども、そのまま触らずに泳ぎ続ける。痕も残らず腫れずに問題ありません。

と、話すが、こういった認識は非常に危険!

■獲物を捕まえる「触手」は長いもので10メートルも

全国で数少ないカツオノエボシを展示する水族館の担当者によると、獲物を捕まえる「触手」は長いもので10メートルもあり、そこに強い毒があり、少し触れるだけでも非常に危険。 今の時期に最も注意が必要だという。

新江ノ島水族館クラゲ担当・水村由美さん:浮き輪のように風にのってふわふわ浮いて移動するクラゲ。台風がやって来ると強い風が吹き、強い風に乗って流れてきます。

新江ノ島水族館クラゲ担当・水村由美さん:(Q:出没しやすい場所は?)南側(太平洋側)に面している海水浴場、そういうところに出やすい、南風の乗ってカツオノエボシが砂浜に漂着してくるので。

海に浮かんで移動するため見つけにくく、今後も南風の吹きやすい気圧配置の日の後は十分に警戒が必要。

もし、見つけた場合は、打ち上げられている場合でも絶対に素手では触らず、道具などを使って対処してほしいということだ

■トライアスロンをする菊池弁護士「クラゲには年中刺される」も…

(Q:菊地先生はトライアスロンをされるということですが、クラゲには刺されることはあるか?)

菊地幸夫弁護士:年中刺されますね。特に8月から9月。1回レースに出ると、手首のあたりに年中刺されていました。このカツオノエボシという強烈なものではなく、もう少し『かわいい』クラゲだと思いますが、よく刺されていました。

カツオノエボシに刺されると、電気が走るような痛みがあるそうだ。

■アナフィラキシーの危険も 対処法は

どのように対処すれば良いのか。

刺された時の対処法を白良浜海水浴場の方に聞いた。 大きく分けて3つある。

1:刺された箇所を海水で流す。真水はNG。カツオノエボシは、海水の中で過ごしている。 刺された時にカツオノエボシをピンセットを使って取ると、皮膚にカツオノエボシの一部が残っている場合、真水が刺激になって、また毒針が発射される。 海水で流す必要がある。

2:およそ50度のお湯に数分つける。この毒は、およそ50度のお湯で解毒される。その後、氷で冷やす。

3:早めに医療機関で受診を! 1、2は応急処置。早めに医療機関を受診することが大切だ。

アナフィラキシーの危険もある。死骸であっても、触れないこと。

来週、台風が接近する見込みだ。南風が吹くと、カツオノエボシが海岸に漂着することもある。

海のレジャーを楽しまれる方は是非注意していただきたい。

(関西テレビ「newsランナー」2024年8月22日放送)

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