赤ちゃんのイラストとともに「産休をいただきます ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします」と丁寧なメッセージが添えられたクッキー。
産休に入る女性が職場に配るための贈り物としてX(ツイッター)で紹介したところ、「不妊治療の人に配慮がない」「幸せオーラがうざい」などと厳しい声が相次いだ。
だが、大手通販サイトで「産休クッキー」と入れて検索すると、多様なクッキーが販売されており、決して珍しい贈り物ではないようだ。
「産休クッキー」に対し、ビジネスマナー講師の美月あきこさんは「個人的な意見としては、そこまで批判しなくてもいいと思います」とした上で、「デリケートな話題は批判されやすい傾向にあり、慎重な対応を心がけた方が無難です」とアドバイスする。
特に「産休」は、子どもを望んでいる人たちが妬ましく感じることもある。仕事のしわ寄せに不満を持つ同僚もいるだろう。
美月さんは言う。
「産休が歓迎されない社会は世知辛いですが、相手のことをおもんぱかるというマナーの原点に立てば、仕方がないでしょう」
結婚や出産などの発信はさまざまな状況の人がいると想像力を働かせることが大切だ。
産休前のあいさつ
産休前のあいさつについて、美月さんは「まずは、短くていいので感謝の気持ちを言葉で伝えましょう」と話す。
「産休に入るのでよろしくお願いいたします」
クッキーに入ったメッセージ同様に、忙しい同僚の邪魔をしないよう、長々と話すよりコンパクトに伝えるのが良いという。
そして「お菓子はコミュニケーションツールの一つ」と位置づけ、「必須ではない」と説く。
「同僚との会話が苦手な人はお菓子で感謝を伝えてもいいと思います。コミュニケーションが得意な人は言葉で伝えるだけでも十分です」
新型コロナウイルスの流行以降、在宅勤務制度が広がり、同僚と対面で話す機会が減っている職場もある。
産休前のあいさつがメールやチャットなどのビジネスツールになることも珍しくないという。そうした場合、職場には菓子折りを置き、定期的に出社する同僚が手に取れるようにする。このような方法も、お菓子を使ったコミュニケーションの一つだという。
菓子折りにもさまざまあるが、美月さんは「旅行のお土産と同じ感覚で、『普通のお菓子』を選びましょう。個包装で、においがせず、手が汚れないものがおすすめです」と助言する。【御園生枝里】
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