河野太郎デジタル大臣が26日、自民党総裁選への出馬を表明しました。
会見では『改革』という言葉を強調しました。
河野太郎デジタル大臣(麻生派)
「『改革』と言うのは簡単です。しかし、大事なのは、傷だらけになりながらも、改革をとことん進めていく。そういう強い意志があるのか。やるべき改革をやった実績があるのか」
総裁選は、三度目の挑戦です。
15年前、初の総裁選では、党の重鎮支配を念頭に「腐ったリンゴを取り除く」と、刷新感をアピールしました。
河野太郎氏(当時46)
「腐ったリンゴをもう一度、樽の中に戻したら、樽の中のリンゴは、全部、腐ります。我々は、勇気を持って、腐ったリンゴを樽から取り除く」
行政改革を担当すれば、財務省と真っ向勝負。元徴用工をめぐる問題では、韓国側に、正面から抗議しました。いつの日からか、付いた呼び名は“異端児”です。
河野太郎デジタル大臣(麻生派)
「私は、これまで、例えば、押印の廃止、コロナワクチン、ライドシェア、あるいはマイナンバーカード。いろんなご批判いただきましたが、それなりに物事を前に進め、やってまいりました。いずれ振り返ってみると、あそこであの改革をやってよかった。あるいは、もう、その時には、当たり前のことだったよね。そういうことになっているかもしれません」
党が直面する裏金事件では、不記載があった議員に国庫返納を求める考えを示しました。
河野太郎デジタル大臣(麻生派)
「不記載になってしまったものと同じ金額を返還をしていただくことで、けじめとするというのが、私は、よろしいのではないか」
改革派で鳴らしてきた河野大臣ですが、トーンダウンしたこともあります。
例えば、原発政策。
福島第一原発事故のあと、『原発ゼロの会』を超党派で立ち上げるなど、脱原発を打ち出していました。しかし、3年前、前回の総裁選では「現実的なエネルギー政策を進める」と軌道修正。今回も、AIの普及に伴い、データセンターの消費電力が急増するとの予測を持ち出し、原発再稼働を容認するスタンスです。
そして、もう一つ。今回、出馬をうかがう人たちから“派閥なき総裁選”を意識した発言が相次ぐなか、河野大臣は、唯一、党内で存続している麻生派の所属です。今回も麻生氏から早々に立候補の了承を取り付けて、派閥も含めた幅広い推薦人の確保に動いてきました。
前回、自らの応援に回った小泉・石破の両氏が、今回、それぞれ出馬へ動くなか、報道ステーションがこの週末行った世論調査では、河野大臣は、2人に大きく水をあけられています。
河野太郎デジタル大臣(麻生派)
「かつては、河野太郎がぶっちぎりでトップという時期もあったが、総裁選挙の論戦を通じて、やっぱり国のリーダーは河野太郎と多くの人に思っていただけるように、しっかり頑張っていきたい」
24日に地元・鳥取で立候補を正式表明した石破茂元幹事長。
石破茂元幹事長(無所属)
「(Q.河野太郎さんが出馬表明をしたがご覧になれましたか)いや、見る暇はなかったので、あとでニュースで見たぐらい。(Q.ライバルになることについては)いいんじゃないんですか。自由民主党というのは人材が多くいて」
◆自民党総裁選の顔ぶれが徐々に出揃ってきましたが、国民は、これをどう受け止めているのでしょうか。
この週末、報道ステーションが行った世論調査で、『次の自民党総裁にふさわしいのは?』と聞いた結果です。
石破茂氏 27%
小泉進次郎氏 23%
高市早苗氏 9%
小林鷹之氏 6%
上川陽子氏 6%
河野太郎氏 6%
林芳正氏 1%
茂木敏充氏 1%
加藤勝信氏 0%
齋藤健氏 0%
トップは、24日に出馬表明した石破元幹事長で、2位は、今週、出馬表明予定の小泉元環境大臣です。3位は、前回の総裁選には、安倍元総理の支援を受けて出馬した高市経済安保担当大臣でした。この結果は、支持政党に関係なく聞いたものですが、対象を自民党支持層に限ると、こうなります。
石破茂氏 28%
小泉進次郎氏 26%
高市早苗氏 12%
小林鷹之氏 6%
上川陽子氏 6%
河野太郎氏 8%
林芳正氏 1%
茂木敏充氏 1%
加藤勝信氏 0%
齋藤健氏 0%
石破氏は1ポイント、小泉氏は3ポイント上昇しますが、順位は変わりません。
こちらの数字は、変化が出ています。
次の衆院選で『自公政権の継続を期待するか』『政権交代を期待するか』聞きました。
●自公政権の継続を期待 5月・39%、6月・34%、7月・38%、8月・42%
●政権交代を期待する 5月・52%、6月・49%、7月・43%、8月・40%
5月時点では『政権交代を期待する』が半数以上でしたが、8月は『自公政権の継続』が42%と、わずかに上回る結果となりました。
自民党への支持が回復しているようにも見えますが、政治とカネの問題で揺れた自民党が、総裁選をきっかけに変わると思うかという質問には、『きっかけになる』が34%、『きっかけにならない』は54%と、冷ややかな見方が半数以上になっています。
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