非常に強い台風10号は、山陰陰地方に最も接近するのが30日から31日ごろと見られ、大雨や暴風などに警戒が必要です。

今回の台風は、ゆっくりとしたスピードのため影響が長引く恐れがあるのが特徴の一つです。台風10号は28日午前、奄美地方付近の海上を非常に強い勢力でゆっくりと北上しました。29日午後にかけて鹿児島県や熊本県の西の海上をゆっくり北上したあと、30日朝にも九州に上陸する可能性があります。山陰地方は、29日午後にも風が強まる恐れがあります。

また台風の影響で、山陰地方は27日から28日にかけて局地的に雨雲が発生しています。27日は、米子市など鳥取県西部で時間雨量30ミリを超える激しい雨、ゲリラ雷雨がありました。
こうした中、伯耆町では…。

加藤俊之カメラマン:
「土台から柱が抜け、小屋がめちゃくちゃに壊れています」

27日夕方、伯耆町にある養鶏場合わせて3棟が全半壊する被害ありました。

養鶏場の所有者・金澤利正さん:
「稲や草がちぎれるのではないかと思うくらいの風が吹いて、今まであのような風を見たことない」

県中西部には、27日夕方から夜にかけて、発達した雨雲の発生に伴って竜巻注意情報が発表され、激しい突風などへの注意が呼びかけられていました。この養鶏場も突風によって倒壊したと見られます。

伯耆町ではこのほか、住宅も突風による被害にあったとみられるほか、倒木が原因で約800戸が停電しました。

住民:
「ソファーも出ているし、室外機も飛んでいるし、すごくびっくりしました。2日後には、台風が直撃する情報もあるので、2次災害にならないように気を付けたい」

現場には気象庁から派遣された職員が入り、詳しい状況や原因を調査しました。

鳥取地方気象台・中江祥浩さん:
「我々が確認したところ、今年は今回が初めて。大気の状態が非常に不安定になり積乱雲が発達しやすい。

28日夕方は、鳥取県東部に活発な雨雲が発生しています。台風接近に伴い引き続きご注意ください。
台風の今後の動きについては、まだ予報円の範囲が広く予想進路に幅がありますが、30日に九州に上陸した後、進路が東寄りに変わる見込みです。
31日の予報円も大きく、台風が進む方向は東西南北に大きな幅がありますが、予報円の真ん中を通るようなコースの場合は、山陰地方では大雨に警戒が必要です。
28日夕方から31日夕方にかけての72時間に、多い所で島根県320ミリ、鳥取県260ミリの降水量が予想されています。浸水被害や河川の増水、氾濫に警戒が必要です。
また最も北寄りを進むと、山陰と台風が近くなり、暴風にも警戒が必要になります。

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