台風10号の影響で、九州の鉄道は運転見合わせが相次いだ。商業施設が臨時休業となり、繁華街も閑散としていた。
JR博多駅では29日、昼過ぎには九州新幹線と主要な在来線がすべて運転取りやめとなり、在来線の改札口にはシャッターが下ろされた。「列車の運転は全て終了いたしました」と書かれた案内が壁に貼り出され、人通りはまばらになった。
スイスから妻と観光で訪れていたフィリップ・グイさん(68)は、列車で長崎へ向かう予定だったが、博多駅で運休を知った。「乗るのを楽しみにしていたのでとても残念。天気には逆らえない」と肩を落とした。
博多駅の隣にある博多バスターミナルも、大半のバスが運休しており、閑散としていた。西日本鉄道(西鉄)のバスはあまり運休しない「最強バス」との評判があり、ネット上では運休に驚きの声が上がった。
中国・上海から観光で訪れていた女性(40)は、娘と太宰府天満宮へ向かう予定だったという。ターミナルの案内板で運休を知ったと言い、「観光がしたかったが、退屈」と残念がった。
普段は多くの観光客や買い物客でにぎわう福岡市の天神周辺では、商業施設が軒並み臨時休業に。割れた場合に飛散するのを防ぐためか、窓ガラスにテープを貼っている店もあった。
午前中に運転見合わせとなった西鉄福岡(天神)駅では、自動改札機が閉じたまま、構内はがらんとしていた。無人のホームに電車が並び、出発案内の電光掲示板も真っ暗だった。(山本達洋、大下美倫)
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