仮水槽で展示されているビワコオオナマズ=草津市下物町の琵琶湖博物館で2024年8月28日午前10時45分、礒野健一撮影

 滋賀県立琵琶湖博物館(草津市下物町)が、破損事故で大破したビワコオオナマズ水槽の再建に向け、クラウドファンディング(CF)を開始した。亀田佳代子館長は「新たな水槽で琵琶湖の生き物の魅力をより広く伝えていきたい。たくさんのご支援をお願いします」と呼びかけている。【礒野健一】

クラウドファンディングの協力を呼びかける亀田佳代子館長(中央)ら=草津市下物町の琵琶湖博物館で2024年8月28日午前10時39分、礒野健一撮影

 事故は昨年2月、ビワコオオナマズを飼育する大型円筒形水槽で発生。人や飼育生物への被害はなかったが、その後の館内点検で亀裂の入った水槽が見つかり、計13基の修復や交換が必要となった。そのうちトンネル水槽のアクリル窓など10基は昨年度、県が約4300万円の予算を計上して修復を実施。同館は費用の一部をCFで募り、目標額500万円を大きく上回る1159万3000円が寄せられた。

 今回はビワコオオナマズ水槽と、同じ円筒形水槽で破損の恐れがあったコアユ水槽を設計から新たに作り直す。県は今年度予算で約1億8000万円を計上しており、CFでは2000万円を目標額に寄付を募る。

新しいビワコオオナマズ水槽のイメージ図=琵琶湖博物館提供

 新しいビワコオオナマズ水槽は円筒形ではなく直方体で、幅約3・9メートル、高さ約2メートル、奥行き約2・1メートルで、内装は湖底の岩場を模した。ビワコオオナマズの特徴的な腹部を観察できるよう、下からのぞき込む水槽も併設する。コアユ水槽は幅約4・1メートル、高さ約1・5メートル、奥行き約1・8メートルで、漁業との関係も分かるようエリ漁をイメージした展示となる。

 ともに今年度中の完成を目指し、来年のゴールデンウイークまでには一般公開する予定。亀裂が見つかっていた「ふれあい水槽」も同時に修復し、これで全ての水槽の修復が完了する。

 寄付はCFサイト「READYFOR」で11月25日まで募る。寄付額は3000円~100万円まで100コース以上あり、前回のCFで好評だったバックヤードツアーや飼育員体験などのほか、各学芸員が自分の研究分野を生かした特別なコースも多数用意されている。

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