北海道は、まもなく大雪山系から紅葉シーズンが始まりますが、9月3日、登山コースで巡回していたスタッフがクマに追いかけられました。
クマとの距離はわずか3m。
その緊迫した一部始終です。
クマとの遭遇映像が撮影される
これは9月3日、登山道で撮影された映像です。
1頭のクマが木道を歩きながら追いかけてきます。
後ずさりする男性の手にはクマスプレーが。
クマに向かっていつでも噴射できる態勢を取っています。
クマとの距離はわずか3mほど。この緊迫した状態が、100mにわたり続いたといいます。
撮影された場所は、北海道・大雪山国立公園の中央部に位置する登山道「大雪高原温泉沼めぐり登山コース」。
層雲峡温泉から車で50分ほどのエリアで、特に紅葉の時期は全国から登山客が訪れる穴場のスポットです。
ヒグマの生息地を登山するため、日々巡視員がパトロールをし、登山者は入山する前に必ずクマへのレクチャーを受けるなど、管理されています。
今回は、巡視員が午前のパトロール中にクマと遭遇しました。
クマは体長約1メートルの若い個体とみられていて、巡視員を100mほど追いかけた後、やぶの中に消えていきました。
巡視員も所属する大雪高原温泉ヒグマ情報センターの代表は…
「人に対して近寄って、興味をもって近寄ってくるという状況に見えるので、こういうケースは少ないなと思っています」(大雪高原温泉ヒグマ情報センター 代表岡崎哲三さん)
登山コースは一時閉鎖、再開は慎重に判断
今回のクマは威嚇するそぶりはありませんでしたが、人間を全く恐れなかったため、当面、沼をめぐる登山コースの閉鎖を決めました。
「まずは1週間ぐらいの精査をして、その中で何度か巡視をすることで、ヒグマの痕跡等々がなければ、順次再開していこうと思っています」(岡崎さん)
岡崎さんは、ヒグマの生息地など山に入るときは、その周辺のヒグマ情報を事前に把握することが大事だと言います。
山に入る際のリスク管理を呼びかけ
「不安な人であれば、人が多い時期に入っていただくとか、クマスプレーを持っていくとか、リスク管理をしながら登山を楽しむという形をとっていただきたいなと思っています」(岡崎さん)
今回はヒグマをよく知るヒグマ情報センターの巡視員だったこともあり、冷静に対応できていましたが、ヒグマともし遭遇してしまったら、どうすればよいのでしょうか?
・目をそらさない
・走らない
・静かに慌てない
そして、ヒグマに会わないために、音を出したり、ゴミはしっかり持ち帰るなどの対策も必要です。
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