北海道で起きた胆振東部地震から9月6日で6年。災害時にペットを受け入れる避難所を設置する意向の自治体は、道内179市町村のうち、78自治体と4割弱にとどまることが、北海道の調査で分かりました。

前回調査に比べ8倍増だが「4割届かず」

 1月に能登半島地震が発生したことから、北海道が全179市町村へ8年ぶりに調査しました。

 検討中も含めて災害時にペットを受け入れる避難所の準備をしているのは、札幌市など78自治体。8年前に比べて倍以上に増えましたが、全体の4割弱にとどまっています。

 その中で、敷地内に収容や飼育が可能なペットの避難所を設置する意向なのは74自治体です。

 「用意する場所は」という複数回答の問いに「室内で飼い主とペットが同室」としたのは17自治体。「室内にペット用のスペース」は44自治体、「屋外に係留、ケージの設置場所を確保」が52自治体でした。

犬猫の野生化や避難所での鳴き声…臭いも問題に

 ペットの避難をめぐっては、北海道内では2000年の有珠山の噴火をきっかけにペット保護の問題が浮上。2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震では、避難に連れて行けなかった犬や猫が一部野生化しました。

 避難所での鳴き声や臭い、ペットを迎えに自宅に戻った飼い主が2次災害に巻き込まれるなどの問題が生じました。

国や道「ペットもいっしょに避難させて」

 環境省や北海道はガイドラインやマニュアルを作成し、災害時は飼い主がペットといっしょに避難することや、人と十分に距離を取ってペット用のスペースを設けることなどを求めています。

 今回の調査で、地域防災計画やマニュアルにペットの受け入れに関する記載のない自治体が多いことも明らかになりました。

 北海道環境生活部は「すべての市町村がペットの避難に関するマニュアルを整備するよう引き続き働きかけていきたい。整備が進まない理由の調査も検討したい」としています。

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