台風など災害が発生したときに住民にとって重要な存在となるのが避難所。
自治体では効率的な運営や少しでも安心して過ごしてもらおうと、様々な取り組みを行っている。
各地に大きな爪痕を残した台風10号。今回の避難所の運営に関して、新たなアプリを導入した大分県中津市の避難所の様子を取材した。
テントで避難者のプライバシー確保
この記事の画像(6枚)今回の台風で中津市の避難所の1つとなったのがダイハツ九州アリーナ。
市内で最も多い250人の受け入れが可能で、コロナ禍をきっかけにテントを設置した。
避難した人のプライバシーを確保できるようになっている。
避難してきた70代と女性は「プライバシーがあるから良いと思う」と話す。
今回初めて避難所でアプリを導入
また、受付では作業の効率化のためにある工夫が…。
これまでの受付では、名前などの記入は紙を使うのが基本だったが中津市は今回、アプリで行った。
中津市情報デジタル推進課の中尾修大さんによると、避難を予定している人は、まず事前に避難の登録をすることができ、避難所の入室もスムーズにできるという。
このアプリは市が独自に開発。住民は事前に市のホームページにある専用フォームに名前や避難を予定している人数などを入力することでアプリ上にその情報が登録される。
事前に入力ができない場合でも受付で登録作業を行い、避難所に空きがあれば入ることができる。
このように受付をデジタル化したことで、避難した人たちに関する情報の把握がしやすくなり、運営の効率化を図れるという。
中津市情報デジタル推進課の中尾さんは「今回、一番大きな避難所で試行的な運用を始めたので、これを成功させて全ての避難所でデジタルの受け付けができれば」と、今後について話している。
「逃げるなら一緒がいい」ペットと同行避難
さらに、2階にはこんなスペースが…
ここで過ごしていたのはペットを連れた人たち。
中津市は今回初めてペットと一緒に避難できる区画を設置。17区画を用意し、今回5組が利用してペットと一緒に一夜を過ごしたという。
ペット連れてきた人からは「置いて逃げることがちょっとやっぱりかわいそうだったので、一緒に逃げるなら一緒がいいなと思って。助かりました」と安堵の声が聞かれた。
ただ、このようにペットを室内に連れていける避難所の整備はまだ道半ば。
例えば、大分市では全ての避難所にペットを連れていくことは可能ですが、飼い主と屋内で一緒に過ごせるスペースは設けられていないという。
ペット同行の避難の受け入れは県も防災計画の見直し案の中で強化することを打ち出しているが、今後さらに整備が進むことが望まれている。
(テレビ大分)
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