リニア中央新幹線の建設を巡り、JR東海は9日、愛知県春日井市で進めているトンネル工事の完成時期が、当初の予定より約5年半遅れ、2030年1月末になる見通しだと発表した。軟弱な地盤の掘削に対応するため、施工方法を見直すことなどが理由という。

 JR東海によると、工期を見直したのは岐阜県可児市と名古屋市を結ぶ第一中京圏トンネルの西尾工区(4.5キロ)。当初の予定では今年9月末までの完成を目指していたが、現状の掘削進捗(しんちょく)率は約7割という。

 工期を見直すのは、掘削を進めるなかで、地盤の一部が想定よりも軟弱であることがわかったから。今後、掘削する名古屋方面の区間(0.9キロ)の工事について、トンネルより小さい断面で地質を確認をしながら掘り進めるなど、慎重に工事を進めるという。

 JR東海は2027年のリニア開業をめざしていたが、静岡工区の着工が認められていないことなどを理由に断念。開業は早くても34年以降の見通しとなっている。(米田怜央)

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