九州電力=福岡市で

 九州電力は、育児休職者がいる職場の社員に応援金を支給する制度を9月から始めた。九電は男性を含む長期育休取得を推奨している。出産や育児を職場で支え合う意識を高めようと、同僚らに対して1人当たり年額8000~1万4000円を支給する。

 応援金は、1カ月以上の育休者が出た職場が対象で、課やグループといった職場の最小単位で支給する。支給額は職場の人数などを勘案して決め、育休取得月数に応じて半期ごとに支給する。九電本体と子会社の九電送配電が対象になる。

 九電は、子育て社員の働きやすい環境整備を急いでおり、男性の育休も推奨。2023年度には男性の育休(2週間以上)の取得率が100%に達した。ただ、長期の育休を取るにあたっては、上司の目や同僚の負担を心配する声もあるという。

 育休を取りやすい職場風土づくりのため、九電は、孫の育児を理由にした休暇制度を23年に始めた。長期育休者がいる部署には、もともと替わりの要員配置も進めていたが、応援金制度でさらに同僚の負担感解消を図る。

 子育て社員の支援を巡っては、多くの企業が長期育休の推奨などを進めている一方、子育て社員のカバーを負担に感じる人もいる。SNS(ネット交流サービス)では子育て社員を「子持ち様」とからかう声もあり、企業にとって同僚たちの負担軽減も課題になっている。【久野洋】

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