岡山市で幼い女の子が虐待され死亡した事件で逮捕監禁致死などの罪に問われている母親の裁判は、9月11日に判決が言い渡されます。裁判の争点は、母親の「共謀」が成立するかどうかです。
楽しそうに遊ぶ女の子、西田真愛ちゃん。母親と交際相手に虐待され、6歳で死亡しました。
この事件で逮捕監禁致死と強要の罪に問われているのが母親の西田彩被告(36)です。末っ子の真愛ちゃんを含む4人の子供を育てるシングルマザーでした。
起訴状などによりますと西田被告は2021年9月、交際相手の男(41)と共謀して、椅子の上に置いた鍋の中に真愛ちゃんを長時間立たせるなどの虐待を繰り返したほか、全身に布団を巻いて放置し、22年1月、低酸素脳症で死亡させたとされています。
虐待を実行した交際相手は2023年、懲役14年の判決が確定しています。西田被告は初公判で、「自ら率先して一緒に虐待したわけではない」と起訴内容を一部否認しました。
(森岡紗衣記者)
「裁判の争点は、直接、虐待を実行していない西田被告に、交際相手との共謀が成立するかどうかです。求刑は検察側が懲役10年、一方、弁護側は執行猶予付きの判決を求めています」
検察側は、「西田被告が真愛ちゃんに言うことを聞かせるために交際相手に真愛ちゃんの言動を伝え、それに応じて交際相手が虐待していた」と指摘。「虐待を止めることは可能かつ容易であったにも関わらず黙認した」として、「共謀」が成立すると主張しています。
一方、弁護側は、室内に設置されたカメラなどで監視され、子供との居住スペースを分けられたり、児童相談所への相談を禁止されるなど、交際相手に支配され、虐待を止めることは不可能だった」として、共謀ではなく、ほう助犯を主張しています。
ほう助犯となると、交際相手の犯罪を助けたということになり、刑が減軽されます。判決は11日午後3時、岡山地裁で言い渡されます。
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