秋田米の主力品種「あきたこまち」が9月7日にデビュー40年を迎え、秋田市で記念の感謝祭が行われた。秋田を代表するブランド米は、2025年には「あきたこまちR」に切り替えられ、海外輸出の拡大が期待されている。
秋田の気候に適した品種の誕生
「あきたこまち」は1984年9月に誕生した秋田を代表するブランド米で、7日にデビューから40年を迎えた。この節目に合わせ、秋田市では生産者や消費者に感謝を伝えるイベントが開かれた。
この記事の画像(9枚)JA全農あきた運営委員会の小松忠彦会長は「JAグループ秋田は、あきたこまちをはじめとした秋田米に関わる全ての人たちへの感謝の気持ちとともに、これからもなお一層、おいしい、そして安全で安心して食べてもらえるコメを届けていく」とコメントした。
誕生は今から40年前。
県産米の目玉となる独自の品種を求める声が相次ぎ、あきたこまちの開発が始まった。
県農業試験場のスタッフが他県から種を集めて品種改良を重ねた。
その結果、寒さに強く味も優れた「コシヒカリ」と、倒れにくく成熟が早い「奥羽292号」をかけ合わせ、秋田の気候に適したコメ「あきたこまち」が誕生した。
秋田を前面に出して「一番のコメに」
誕生当時の佐々木喜久治知事が「秋田の品種ということを全国的にも売れるようにということで、秋田31号の名前は『あきたこまち』という名前にしました」と発表した。
今では誰もが知る「あきたこまち」の名。しかし、開発当時は別の名前が候補に挙がっていたと小松会長は話す。
「最初『あきこまち』という名前でデビューするという話が聞こえてきたが、そうではなく、秋田を前面に出して売っていくコメにしようということで『あきたこまち』となった。“あきた”を入れたことで、秋田を代表してくれる一番のコメになるんだなという印象が強かった」と、小松会長は振り返る。
デビューしてからは瞬く間に知名度を上げた「あきたこまち」。県内の作付面積の比率は72.9%(2023年実績)と他の品種を圧倒している。
日本と言えば「あきたこまち」目指す
7日の感謝祭では、先着700人に「あきたこまち」2合などをプレゼント。多くの県民が詰めかけ、わずか15分でなくなった。
ずっとあきたこまちを食べているという秋田市に住む男性(50代・会社員)は、「40周年を迎えてうれしい。サキホコレも食べたが、あきたこまちの方がいい。粘りや炊き立てが最高。このまま変わらず在り続けてほしい」と話す。
同じく秋田市に住む女性(30代・会社員)は「県外に行ってご飯を食べると、やはり『あきたこまちがおいしいな』と実感する」という。「日本で一番ブランド力がある、日本と言えば『あきたこまち』と思ってもらえるように育ってほしい」と語った。
2025年には「あきたこまちR」に切り替えられる。土壌の汚染物質を吸収しにくい品種への移行で、物質数値の規制が厳しい海外輸出の拡大が期待される。
小松会長は「『あきたこまちR』に切り替わるが、日本だけではなく世界各国で名をはせることができるような『あきたこまち』になってもらいたい。食べて笑顔になって元気になれる『あきたこまち』を目指して取り組んでいきたい」と意気込んでいる。
(秋田テレビ)
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