福井市内のスーパーの店頭に、福井県産コシヒカリの新米が、12日から並び始めました。これでコメ不足は解消するのではないかとの期待も声も聞かれます。ただ、価格は2023年産米の1.6倍と大幅に高騰しています。コシヒカリの販売を始めた店舗を取材しました。
福井市にあるAコープやしろ店です。この店では、12日に入荷したばかりのコシヒカリの新米が店頭の特設コーナーに山積みされています。入荷したのは10キロ入り150袋、5キロ入り300袋です。
Aコープやしろ店の山上剛副店長は「例年より1割、2割多く入荷した。やっと品薄というのが解消されて、こちらとしても安心している」と話します。
早生の品種・ハナエチゼンの新米の販売が始まって以降、客からは「コシヒカリの新米はいつ入ってくるのか」「新米を県外へ送りたいがどうすればよいか」といった問い合わせが相次いだため、入荷量を増やしたということです。
本格的にコシヒカリの販売が始まりましたが、気になる価格は10キロあたり税別で6680円と、2023年産米の4180円から2500円も値上がりました。
この店を訪れた客は「高いな、ちょっと手が出ない。平均して高い。どこ行っても」
「びっくりしました。買えないです。でも買わないといけないしどうしましょう」と困惑の表情を見せていました。
山上副店長は「農協が農家に支払う内金が上がっているので、それがそのまま仕入れ値に反映されている。その分売価も上がっている状況」と苦しい胸の内を話します。
8月に販売が始まったハナエチゼンの新米は、2023年産が税別3980円だったのに対して、2024年産の価格が4980円と1000円の値上がりでした。
同じ県産米なのに値上がり幅は2.5倍、その理由にはコシヒカリの根強い人気と全国的な高値が挙げられます。
山上副店長は「2023年産のコシヒカリが無くなってしまって、自宅にコシヒカリ自体がないという品薄な状況。これは全国的な状況で、その相場高がそのまま引きずられている」として、この高値はしばらく続くと見ています。
また「コメがここまで高くなっているので、パンや麺に需要がシフトし、コメ離れしないかというのが懸念材料」と新たな懸念も口にしました。
全国的なコメ不足が言われる「令和の米騒動」。新米の登場で本当にコメ不足は解消されたのか、その一方で、価格高騰がコメ離れを引き起こさないのか懸念は続きそうです。
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