中高年女性の4割強が、敬老の日に「お祝いされたくない」――。敬老の日(16日)を前に、民間企業が実施した意識・実態調査で、そんな結果が出た。
敬老の日に初めて祝われた平均年齢と、敬老の日と聞いて抱く対象年齢のイメージにも10歳以上のギャップがあり、シニア層の複雑な本音が垣間見える。
「自分が対象」は11%
調査は、女性誌の発行などを手がけるハルメクホールディングス(東京都新宿区)の独自シンクタンク「ハルメク 生きかた上手研究所」が実施。7月26~29日、全国の50~88歳の女性584人からインターネットで回答を得た。前回2021年の調査結果と比較、分析して結果を公表した。
敬老の日にお祝いされることに対するシニア層の本音はどうか。「お祝いされたい」は15.2%で、前回から3.1ポイント減少。逆に、「お祝いされたくない」は3.3ポイント増加し、43.3%に上った。
お祝いされたくない理由(複数回答)については、「祝われる年齢ではない」(36.8%)、「老人扱いされているように感じる」(29.7%)、「祝う習慣がない」(29.3%)の三つが上位を占め、前回と変わらなかった。
敬老の日を初めて祝われた平均年齢は63.1歳で、前回と比べて2.3歳上昇。一方で、イメージする対象年齢も前回比3歳アップの73.7歳で、イメージと実際に祝われる年齢には10歳以上のギャップがあることが分かった。
回答者が敬老の日をどのような日と捉えているかとの問いには、半数以上が「普段の日」(53.3%)と回答。次いで「目上の人が対象の日」が30.1%、「自分が対象の日」は11.1%にとどまった。
自由回答では、「体のメンテナンスを考える日」や「両親に感謝する日。自分にはまだ当てはまらない」もあった。
「配偶者・パートナー」に祝われたい
今年の敬老の日にお祝いする予定がある場合、最も多いのは「プレゼント」(45%)。次いで「一緒に家で食事をする」(30%)、「直接会って話をする」(28.8%)、「一緒に外食する」(17.5%)などと続いた。
お祝いされたい相手は、「息子」「娘」「孫」が中心に。一方で、「配偶者・パートナー」も12.4%おり、「夫と旅行の思い出を作りたい」「夫婦でおいしい物を食べようという日にしている」などの自由回答があった。
同社の担当者は「生活や趣味を含むエンタメを、夫婦単位で行う傾向が顕著になってきている」と指摘。「子どもや孫がいる割合が減少してきており、消費の単位が『2~3世代』から『夫婦』中心になっていくのではないか」と分析した。【近藤綾加】
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