候補者同士の論戦が日々熱を帯びている自民党の総裁選挙。討論会では政策論争だけでなく、決選投票を見据えた駆け引きや、恨み節も聞こえてきました。
■地方から不満の声…都道府県連票が少ない
石川県金沢市で開かれた公開討論会(16日) この記事の写真石川県金沢市で開かれた、16日の公開討論会。今回は過去最多の9人が立候補していることから、上位2人による決選投票が確実視されています。
都道府県連票が47票と少ないことに地方から不満の声その決選投票で地方の声、都道府県連票が47票と少ないことに地方から不満の声が上がりました。
自民党高知県連 丁野美香南国市議「地方の声を拾い上げ、大事にするべきでもあるにもかかわらず、反映できていないのではないかと思います」 元官房長官 加藤勝信氏(68) 元官房長官 加藤勝信氏(68)
「まず、その決選投票にいかに残るかということで頭がいっぱいでありますけど、問題なのは決選投票に行ったときにわれわれ国会議員は、その場で投票できる。地方の方はそれができないから今のようなやり方をしている」
地方票が強いといわれる一方で、議員票の獲得に苦戦すると見られている石破茂氏も不満を口にします。
元幹事長 石破茂氏(67) 元幹事長 石破茂氏(67)「国会議員の1票は地方の党員2700人分になるんですって。総裁・総理が選べますよと言って党員をお願いしておいてですね、いざ決選になったら2700分の1、これはまずくないですか」
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■ネット討論会 テーマは「経済政策」■ネット討論会 テーマは「経済政策」
告示から4日、候補者たちの情勢はどうなっているのでしょうか?
政治ジャーナリスト 田崎史郎氏 政治ジャーナリスト 田崎史郎氏「議員票及び党員票を合わせて100票を取る可能性があるのは3人だけで、まず石破茂さん、次に小泉進次郎さん、さらに高市早苗さん、この3人だけなんですね」
石川県の討論会からおよそ5時間後、候補者9人が再び顔を合わせたのがネット討論会。テーマとなったのが「経済政策」です。
官房長官 林芳正氏(63) 官房長官 林芳正氏(63)「水素とかアンモニア、少し先ですけど国産化したいと思っています」 幹事長 茂木敏充氏(68) 幹事長 茂木敏充氏(68)
「アメリカのトップ10の企業を見てみると、アップルだったり6社新興企業ですよ。産業の新陳代謝をどう進めるかが、極めて重要だと思いますね」 デジタル大臣 河野太郎氏(61) デジタル大臣 河野太郎氏(61)
「個人消費を増やしていくために、手取りを増やす政策というのをまずやりたいと思う」 外務大臣 上川陽子(71) 外務大臣 上川陽子(71)
「様々な成長分野がありますので、それをしっかりとターゲットを絞って推進していきたいというふうに思う」
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■小泉氏、小林氏の意見に同調の理由■小泉氏、小林氏の意見に同調の理由
各候補が熱弁をふるうなか、目立っていたのが、小林鷹之氏の意見に同調する小泉進次郎氏の姿です。
前経済安保担当大臣 小林鷹之氏(49) 前経済安保担当大臣 小林鷹之氏(49)「労働市場の流動性を高めていくことが重要であって、この失業なき労働移動というものを進めていくことが大切ではないかと考えています」 元環境大臣 小泉進次郎氏(43) 元環境大臣 小泉進次郎氏(43)
「そこ、小林さんと全く同じです」
サイバーテロ対策について議論した場面では…。
「アクティブサイバーディフェンス」について語る小林氏 小林氏「このアクティブサイバーディフェンス、絶対必要なんです。これはもう政治の力で誰が総理、総裁になっても年内に法整備をやりきらなければいけない」 経済安保担当大臣 高市早苗氏(63) 経済安保担当大臣 高市早苗氏(63)
「アクティブサイバーディフェンスに一元的な責任と権限を持つ役所・機関が必要ですね」 小泉氏「今のお二人のように考え方一致していると思います」 小泉氏
「まさに、今のお二人のように考え方一致していると思います」
さらに「時間ができた時の過ごし方」について語った場面でも…。
小林氏「一番の癒やしはやっぱり子ども」 小林氏「私の一番の癒やしはやっぱり子ども、娘と過ごす時間ですね」 小泉氏「私も全く同じ」 小泉氏
「私も全く同じなんですけど、やはり子どもとの時間は癒されますね」
小林氏にたびたび同調する場面がみられた小泉氏。その背景にあるのが…。
政治ジャーナリスト 田崎史郎氏「議員票で一番取っているのは小泉進次郎さん。2番手が小林鷹之さん。小泉さんが70票近く、小林鷹之さんは40、50票」
自身の決選投票進出を見据え、議員票を多く持っている小林氏の取り込みを図っているのかもしれません。
そのうえ、決選投票では大きな影響を及ぼすとみられる存在があります。
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■「まんじゅう」のパッケージ裏面にいる3人とは?■「まんじゅう」のパッケージ裏面にいる3人とは?
「総裁選まんじゅう」「総裁選まんじゅう」のパッケージです。総裁選候補の9人がずらりと並んでいます。作ったのは、これまでも政治家をモチーフにした様々なお菓子を作ってきた都内のメーカーです。
「大藤」 大久保俊男会長 「大藤」 大久保俊男会長「最後に上川さんがギリギリ11日に出馬表明されたので、何とか印刷を間に合わせて発売に至りました」 議員票の行方に大きな影響を与える可能性がある3人
注目はパッケージの裏。麻生太郎副総裁(83)に菅義偉前総理(75)、岸田文雄総理大臣(67)が描かれています。
この3人、実際に総裁選の裏で議員票の行方に大きな影響を与える可能性があります。
田崎氏「菅さんは小泉進次郎さんですから、麻生氏と岸田氏が40、50票の票を動かせるだろうとみられている。決選投票前の形勢をよく見極めて、自分の影響力が最も発揮できる人を推していくんだろうと思う」
(「グッド!モーニング」2024年9月17日放送分より)
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