群馬大の石崎泰樹学長は、学部授業料の引き上げについて「どんな経済状態の家庭の方も入学しやすい大学にするのが群馬大のような地方国立大の使命」と述べ、現状で学費値上げを検討していないと明かした。東京大は来年度の入学者から、現状より約11万円を引き上げ、国が定める上限の約64万円にする方針を示している。
群馬大の学費は年53万5800円。ただ、東京大同様に財務状況は悪化しているという。石崎氏は13日の記者会見で、「毎年(国からの)運営費交付金が削減され、光熱費のすごい高騰もある。非常に悩ましいが、今は値上げは考えていない」と説明。「本学ももう限界という状況だ」とも訴えた。
また、群馬大は同日、2025年度から大学院に「食健康科学研究科」を新設すると発表した。4学部・6研究科となる。農畜産業が盛んな群馬の強みを生かし、自動車関連に次いで食品関連が多い県内の製造業への貢献も目指す。食を通じた健康増進や社会的課題の解決、環境改善に関する分野で、国内の大学院で同様の修士課程は初。27年度をめどに博士課程も設置する方針。募集人員は40人で入試は12月。社会人が学びやすい環境も整備する。【田所柳子】
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