親や学校には相談できない“悩み”を抱えた若者たちが駆け込む相談場所が、大阪・ミナミにある。性の悩みに直面する若者たちの今を取材した。
【動画】「性感染症」「予期せぬ妊娠」性交渉の機会増える長期休み明けに不安募らせる若者「性の相談」に駆け込む無料の相談所
■「淋病」にかかった少女 「カンジダ」彼女に移されたという男性
この記事の画像(9枚)夏休みも明け、新学期を過ごす若者たちが今抱える「不安」。大阪・ミナミで聞くと、切実な現状が見えてきた。
Q. 性感染症にかかったことはある?
女子(14歳):あるよ。
Q.何の病気?
女子(14歳):淋病。
Q.かかったのはいつ頃?
女子(14歳):5月の最後くらい。
Q.自覚症状は?
女子(14歳):何も。
Q.どうやって気づいたの?
女子(14歳):児童相談所に行った時に、婦人科に行って分かった。
Q.性感染症にかかったことは?
男子(21歳):カンジダ。
Q.相手は彼女?
男子(21歳):はい。
Q.病院は行きましたか?
男子(21歳):行ってないです。
Q.誰かに相談しましたか?
男子(21歳):友達とか。
Q.病気についてはどう調べたのですか?
男子(21歳):ネットで調べたら(カンジダと)同じ症状だったので。
■「梅毒」8月までの感染者は過去最多だった2023年に次ぐ高い水準
この時期、特に多く報告されるのが「性の感染症」だ。
今年8月までの「梅毒」の感染者数は、これまで最も多かった2023年に次ぐ高い水準で報告されていて、男女共に20代が多い傾向にある。
夏休みなど、長期の休みの間に若者たちの性交渉の機会が増えるためといわれている。
■助産師がLINE・対面で無料相談に対応「スマルナステーション」
同時に、“予期しない妊娠”への不安の声も…。
女子(14歳):ゴム持ってないとか毎回言われる。
Q.そういう時はどうする?
女子(14歳):普通に『帰る』って言うけど、帰してくれないよな。
Q.不安だけどしちゃうこともある?
女子(14歳):うん。
性の悩みに直面する若者たち。そんな深刻な声を受け止める場所が大阪・心斎橋にある。
「スマルナステーション」では、常駐する助産師が対面やLINEで無料の相談を受け付けている。
相談者:生理が遅れている。
相談者:妊娠している可能性はありますか?
相談者:ピルとコンドームだけで本当に避妊できるのでしょうか?
「性交渉」や「避妊」、「妊娠への不安」に関する相談は、夏休みが終わった頃に増え始めるという。
スマルナステーションには、自分の体に関する悩みを正しい知識で解決したいと、足を運ぶ若者も少なくない。
この日は、生理の影響で体の不調に悩む彼女を心配した彼が一緒に相談に訪れた。
助産師:そばにいて、やっぱり『(彼女が)しんどそうだな』って?
彼氏(21歳):僕もあんまり、できることが限られてるんで…。
彼女(21歳):これぐらいのことって、病院に行くようなことなのかなとか。
上のフロアには提携する婦人科のクリニックもあり、緊急を要する場合にはすぐに医師につなぐことができるのも特徴だ。
助産師:医療の現場ではなくて、ちょっと違うところで気軽に聞けるっていうのは、すごくいい形ではあるかなと思っています。
さまざまな情報であふれる時代。若い人たちの大切な体を守るための取り組みが広がっている。
■「自分の体を知るきっかけに」 1人で抱え込まず相談を
悩みを抱える若者たちと世代が近い谷元星奈キャスターは、自身の経験も含めて次のように話した。
関西テレビ 谷元星奈キャスター:私も10代の時を思い返すと、産婦人科に行くハードルは正直、高かったです。病院に行くその一歩手前で、親でも友達でもない、こうした相談できる場所があるのは、すごく安心につながると思います。
関西テレビ 谷元星奈キャスター:私自身は大人になって、定期健診などで産婦人科に通うようになって、正しく自分の体の現状を知れて良かったなと思っていて。だから『スマルナステーション』、こういった場所が産婦人科に通うきっかけ、大事な自分の体を正しく知るきっかけになればいいなと思いました。
親や友達など、近い存在だからこそ相談しにくいと感じることもあるかもしれない。そういう時に相談しやすい環境が整っていることが大切だ。
大阪大学大学院 安田洋祐教授:どんどんそういった窓口が増えていってほしいと思います。夏休みに多いということは、学校で夏休みが始まる前に、『こういった情報はここにアクセスすれば手に入る』とか、『何か起きたら相談できる窓口はここ』だという、簡単な周知活動を行うと、少し夏休みの過ごし方が変わるかもしれません。
1人で悩んでいると、どんどん追い詰められて苦しくなることがあるかもしれない。悩みがある人は相談してみては。
(関西テレビ「newsランナー」2024年9月17日)
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