9月23日に投開票が行われる、立憲民主党の代表選挙。野党第1党の党首として、与党・自民党に対峙する“顔”は誰に決まるのか。
【映像】4人の中で代表にふさわしいのは? 立憲支持者への調査結果(%)
2009年に政権交代を成し遂げた民主党政権下で総理大臣を務め、立憲民主党最高顧問の野田佳彦氏(67)。民主党政権の菅内閣で官房長官を務め、立憲民主党を結党した初代代表の枝野幸男氏(60)。現代表の泉健太氏(50)。衆議院議員1期目で名乗りをあげた吉田晴美氏(52)。17日の『ABEMA Prime』で立候補者4人を招き、話を聞いた。
■お互いの良いところ・弱いところ 4候補者が“他者紹介”
代表選の告示からすでに10日以上が経過していることもあり、番組では自己紹介ではなく「他者紹介」を実施。他候補の良いところと弱いところを語ってもらった。
【野田佳彦氏について】
枝野氏:経験なんて紹介しても面白くないので。野田さんはプロレスオタク。健全なオタクが日本の文化を支えている。でも、野田さんはお酒を飲みすぎ。 付き合うとペースに引きずられて、こっちが飲みすぎちゃう。プラスな面かもしれないけど、周りは迷惑(笑)。
泉氏:この前、ある番組が遅い時間に終わったが、「総理の時はもっとつらかった」という話を聞いて、わかりましたと。一方で、元総理ということもあり、そんなにご自身からはペラペラと喋らない。ある人との飲み会では、両方黙っていたという話も聞いた。今の時代についていくというところでは、年齢も一回り以上下なので若い世代との対話は勝っている。
吉田氏:包容力。いろいろな立場を超えて、人柄の魅力を感じるという方が多いと思う。一方で、野田議員は毎日駅に立っているが、私たちには真似できない。この代表選で言いたいことは、女性議員が増えない原因の1つとして、こうした選挙に対する活動をどこまでできるかという部分はある。今までの頑張りだけでなく、新しい柔軟性と自然体を掛け合わせていきたいと思っている。
【枝野幸男氏について】
野田氏:抜群の歌唱力。政治家として言うならば、舌鋒鋭い追及力。これは他の追随を許さない。一方で、がっぷり四つになって押していくタイプの論戦力が私。持ち味の違いだと思う。
泉氏:鋭いが、ゆるい。議員会館の同じフロアだが、今でもアドバイスを聞きに行くことがある。元代表というとイメージ的には怖いが、ニコニコして部屋の雰囲気もゆるく、ものすごくやりやすい。一方で、声の大きさが強く感じられるのは、一般の方々からすると遠ざかる要因かもしれない。
吉田氏:優しい。分け隔てなく優しさがあるというのは、枝野さんの良さだと思う。
【泉健太氏について】
野田氏:地道な努力家。忘れられないエピソードが、地元の床屋さんを毎回変えていると。それぐらい努力して、だんだん強くなってきた。滑舌の良さでは負けてしまうが、言葉の訴求力・パンチ力では、一日の長が私のほうにあるだろう。
枝野氏:いろいろ大変だったと思うけど、明るさを絶やさない。この代表選もいつも笑顔で、大したものだと思う。その裏返しで、もうちょっとメリハリがあったほうがいいんじゃないかなと。明るい演説や挨拶だけではなく、“今ちょっと元気ないんだよね”みたいな部分は見えたほうがいいと思う。
吉田氏:この3年間、チームワークを作るために自分を殺してきたと思う。その不満も言わず頑張っていらっしゃった我慢強さはすごく感じる。その裏返しで、反対覚悟で“泉カラー”をもっと出してほしかった。政治の中では、はっきりモノを言って、違う主張があって議論ができると思うので、そこを私は出していきたい。
【吉田晴美氏について】
野田氏:適応力がすごい、将来恐るべしと思う。タフネゴシエーターの江田憲司さんと根比べをして、江田さんが折れて彼女を応援するとなったことを考えると、ものすごいタフな人だとも思う。討論会で「吉田さんの年齢の2倍ですか?」と言われて傷ついたが、逆に言うと経験値。厳しい財政状況の中で予算編成を何回もやり、危機管理の場面にも遭遇し、首脳会議で国益をかけた論争もしてきた。そこは差があると思う。
枝野氏:追い詰められても諦めない根性はすごい。3年前の総選挙の最終段階でかなり彼女にプレッシャーがかかっていたが、すごく頑張ってくれた。今回も推薦人集めに苦労していたのを横目で見ながら、ちゃんと20人を集めた。一方で、一緒に遊説をして回ったりしていると、“杉並の人だな”と感じる。選挙で石原(伸晃)さんを倒したのはすごいし、女性の国会議員もたくさん作っているが、全国の過疎地域を考えた時に“ちょっと杉並色が強すぎるな”“代表選だと不利じゃないかな”とは思う。
泉氏:修正力はすごいなと。(代表選)初挑戦で、しかも1期目。自分が1期の時にそんなことはできなかった。政策については、僕や野田さん、枝野さんに負けずとやっているが、やはり外交安全保障などは官邸の中を見ていないだろうと思う。厳しいことを言うが、それを見た上で訴えるのとでは違いが出てくる。
■田村淳「自民党の9人はもっと殺伐としていた」
4人の他者紹介を受け、自民党所属で官房長官や厚労大臣などを歴任した塩崎恭久氏は「自民党の9人よりずっと仲がいいなと思う」とコメント。タレントの田村淳は「だから(代表選が)盛り上がらないんだと思う」との考えを述べる。
「仲が良いことを期待しているわけじゃない。自民党の総裁選がこれだけ盛り上がっている中で、立憲民主党は野党第1党としてどんな世界を見せてくれるのか?と。『俺たちだって総理大臣狙ってるんだ』となれば、国家観やこんなことをやっていきたいんだというのが党内でぶつかり合うと思う。こんなに仲良しこよしだとそりゃ盛り上がらんわって、一視聴者として感じる。自民党の9人はもっと殺伐としていた」
これに枝野氏が「あれがいいことだとも、国民に受けているとも思わない」と反論。泉氏は「立憲民主党はこれまで、『仲がバラバラだ』などと批判をされてきた。それを僕は一生懸命まとめてきたわけだ。今の状態は“みんなで力を合わせて政権交代に向かっていくぞ”というところで、完成品に近いぐらい。“仲良しこよしどころじゃねえよ”“ここまでまとめてきたんだぜ”という感じだ」と主張した。
一方、塩崎氏は「外から見ると、自民党の9人はいがみ合ってるように見えるかもしれないが、世の中はそういうもので、どうまとめるかの話。それを訓練されてきたのが自民党だったんだろうと思う」との見方を示した。(『ABEMA Prime』より)
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