健康上の理由で、29日に中国に返還される上野動物園のパンダ、リーリーとシンシン。

28日は園内で姿を見られる最後の日となり、多くの人が訪れ、別れを惜しみました。

28日朝の東京・上野動物園では、パンダ柄のシャツを着た人やパンダのグッズをつけた人など多くの人が並んでいました。

訪れた人は「きのうの夜10時前にここに着きました。最後の日は絶対に見に行こうと」「本当に最後なので、泣かずにお別れがしたいと思っています」などと話しました。

開園前から2000人以上が並び、午前8時20分には観覧の受付が終了。

そして、午前9時30分に開園すると順番にパンダ舎の中へ入り、観覧が始まりました。

パンダ舎内には、向かって左側に雄のリーリー、右側に雌のシンシンが展示されています。

シンシンが好物の竹をおいしそうに食べている様子を、スマホやカメラで撮影する人や、手を振る人も多く見られました。

観覧後、涙を拭きながら出てきたのは開園前にインタビューした女性でした。

愛知県から来た人:
癒やされました一気に。かわいいのが撮れました。かわいいです本当に。(Q.どんな声をかけた?)ありがとう元気でね。中国に会いに行けたらいいと思います。

神奈川県から来た人:
見終わったら涙が出てきちゃって、2頭とも前向いてよく食べていてくれたので、本当によかったと思った。

リーリーとシンシンが上野動物園にやって来たのは、東日本大震災発生の直前となる2011年2月のことでした。

4月に公開が始まると、連日長蛇の列ができ、震災で傷ついた日本人の心に元気を与えてきました。

2017年にシャンシャンが誕生。
2021年には双子のシャオシャオとレイレイが誕生するなどファミリーを広げ、13年にわたって愛されてきました。

しかし19歳となり、2頭に高血圧の症状が確認され、健康上の理由で中国に返還されることになりました。

最後の観覧グループとなったのは抽選で選ばれた200人です。

選ばれた人は「もう見られなくて悲しいけど、最後に見られてよかったです。中国でも元気でね」と話しました。

午後3時30分過ぎ、最後のグループの観覧が終わりました。

ドアが閉められる瞬間まで、建物の周りには見られなかった人など多くの人が集まり、別れを惜しんでいました。

見られなかった人:
同じ空気を感じたくて伺いました。震災が日本であった後もずっと元気をくれて、かわいい子パンダたちにもたくさん会わせてくれて、感謝でいっぱいです。

リーリーとシンシンは29日未明、上野動物園を出発し中国に向かいます。

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