高松琴平電気鉄道(ことでん)は30日、鉄道車両の車軸に車輪をはめ込む「輪軸」の組み立て作業を委託しているJR東日本の子会社「総合車両製作所」(横浜市)が数値を改ざんし、54本がメーカーの示す基準値の範囲外だったことが判明したと発表した。定期検査で安全性には問題はないと確認しており、運行への影響はないという。
ことでんによると、同製作所で作業をした208本のうち、基準値を下回った輪軸が49本、上回ったのが5本あった。いずれも同製作所からことでんに提供されていた検査数値が改ざんされていた。元データを確認できない輪軸も1本あった。
ことでんは、同製作所に対し、原因究明と再発防止の徹底を求めるとしている。定期検査で安全性は確認されているものの、今回の事態を受け、車軸と車輪の間付近の外観検査を重点的に実施しているという。
JR貨物が貨物列車の検査データを改ざんしていた不正を受けて、ことでんは9月24日、同製作所などから提供された検査記録をもとに、四国運輸局に「問題なし」と報告した。ところが、27日になって、同製作所がことでんを含めた全国29社の作業について検査数値を改ざんしていたと公表したため、改めて同局に報告したという。(福家司)
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