ここ数週間、コメの品薄状態が続いている、いわゆる令和のコメ騒動。

それに、ピリオドが?

今週から徐々に北海道産の新米が入荷。

北海道米の長い道のり

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「きょう、張り切ってオープンの10時に来た」

「やっと安心できる」

手に入りにくくなって知るコメのありがたさ。

しかし、北海道米がここまで認知されるまでには、果てしな道のりがあった。

「おいしくないから北海道をもじって『やっかいどう米』と」

「やっかいどう米?」

ひと昔前は、おいしくないと揶揄されていた北海道米。

なぜ、ここまでおいしくなったのか?

その秘密と、ブランド米の特徴、料理との相性も。

令和のコメ騒動で再び注目を集めた北海道米のすごさを追跡する。

新米の入荷時期と人気の高まり

札幌市内のコメ専門店を訪ねると。

「北海道産の新米が並んでいる。『ゆめぴりか』、『ななつぼし』、『おぼろづき』も、もう新米が入っている。いつ入荷した?」

「きょう(9月17日)の午前中。出来は非常に良いと聞いている。新米がなくてがっかりして帰るお客さんも多かったので、みなさん喜んで購入してくれている」(玄米工房こめしん 札幌北郷店 松尾佳代さん)

気になる値段は、例年と比べて1キロあたり200円ほど高くなっている品種もあるとのこと。

でも北海道米は大人気だ。

北海道米のファンは増加中

例年と比べ1キロ200円ほどの値上がり

「(Q:何の新米を買った?)「ゆめぴりか」。(Q:北海道米を食べ始めたのはいつごろ?)十数年前ですかね。おいしいのかな?と半信半疑で買いだしたら、全然いけると思って。それからはずっと北海道米を食べている」

実は、30年前の調査では北海道民のうち北海道米を食べている人は37パーセント。

北海道米の歴史を知るべく、「北海道米販売拡大委員会」を訪ねた。

「(Q:北海道米の始まりは?)江戸時代の1692年、渡島地方(現在の北斗市)で作られたのが最初と言われている」(北海道米販売拡大委員会 相川誠さん)

資料提供:北広島市教育委員会

その後、明治時代に「北海道の稲作の父」と呼ばれる中山久蔵が「赤毛」という品種でコメ作りに成功。

品種開発と「きらら397」の誕生

しかし、寒くて栽培に適していなかった北海道で作ったコメの味は。

「おいしくないから、北海道をもじった『やっかいどう米』。流通の関係者や消費者からも量はあるけどおいしくない、やっかいだと」 (北海道米販売拡大委員会 相川誠さん)

おいしい北海道米を目指して品種開発やPR活動を積極的に行い、1988年には北海道米のイメージを一新した「きらら397」が誕生。

名前の由来は。

「一般公募したらでてきた結果が『きらら』だった。『上育397号』がこの品種の名称だった。ごろがいいので残して、『きらら397』になった」

2001年には冷めてもおいしい「ななつぼし」が誕生。

その2年後には本州に近い環境の北海道南部に適した「ふっくりんこ」が誕生した。

北海道米のPR活動と消費拡大

PR活動では。

当時の高橋はるみ知事がCMに出演。

「米チェン」をテーマに北海道米の消費拡大を呼びかけた。

2008年には北海道米を代表する「ゆめぴりか」が誕生。

その特徴は。

「コメに含まれるタンパク質含量。昔の『やっかいどう米』と言われていた北海道米は、それがすごく高くてぼそぼそしていたけど、『ゆめぴりか』はそれが低い。基準をクリアしたものだけにマークがついている。マークがついているものは、生産者お墨付き。イメージとしては夕張メロン。メロンに認定シールが張っていて、そういうイメージでコメでも」(北海道米販売拡大委員会 相川さん)

マツコさんのCM効果で一躍有名に

農家をはじめ地域が一丸となり、続々高品質の北海道米が誕生。

さらに、人気を後押ししたのが。

「マツコさん効果も、もちろんあると思う。その年本当に『ななつぼし』が売れていなくてヒーヒー言っていいたが、CMでマツコさんを起用してガラッと」(北海道米販売拡大委員会 相川さん)

提供:北海道米販売拡大委員会

一躍有名になった「ななつぼし」。

CM誕生のきっかけはひょんなことからだった。

「たまたまホクレンの当時の担当が深夜番組を見ていたらマツコさんが出ていて、たまたま『ななつぼし』を食べた時に『今まで食べたコメの中で一番うまい』とテレビで言っているのを見て、その翌日に担当がオファーした」

マツコさん効果てきめんで、「ななつぼし」は現在、全国の小売店で一番売られている品種にまで成長。

品質でも「ななつぼし」と「ゆめぴりか」は、日本穀物検定協会の食味ランキングでともに最高位の特Aを連続で獲得。 

 さらに。

「北海道米をどれだけ食べているか北海道内での食べている率。平成8年(1996年)、北海道民の37パーセントしか食べていなかったのが、令和5年(2023年)では88パーセント。ずっと高い率で食べてもらっている。つい30年前では、それが当たり前じゃなかった。これは農家の方々の努力の賜物」(北海道米販売拡大委員会 相川さん)

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