去年、神戸市で6歳の男の子が虐待され死亡した事件を受け、兵庫県はきょうから、「リアルタイム」で警察と児童相談所が虐待情報を共有するシステムの運用を開始しました。

都道府県単位でこうしたシステムの運用を始めるのは埼玉県に続き、全国で2例目となります。

■『虐待のリスクがある』という判断に留まり警察に情報が共有されず

去年6月、神戸市西区の草むらで当時6歳だった穂坂修(なお)ちゃんの遺体が見つかりました。

死因は打撲による外傷性ショックでした。

修ちゃんは日常的に虐待を受けていたとみられ、これまでに母親や叔父などきょうだい4人が傷害致死などの罪で起訴されています。

神戸市の児童相談所ではこれまで、『虐待が認められる事案』のみ月に1回、警察と情報共有していて、修ちゃんの場合、『虐待のリスクがある』という判断に留まったことから、警察に共有されていませんでした。

■新システム「1時間に1回・県内各警察署で共有」

この事件を教訓に、兵庫県ではきょう1日から、児童相談所が受理した虐待情報のリアルタイム共有を開始しました。

新たなシステムでは、次のように変わります。

・月に1回の情報共有→『1時間に1回情報が更新される』
・共有先は県警本部のみ→『県内の各警察署に拡大』

これによって、現場の警察官もすぐに情報に触れることができるようになりました。

■「少しでも早く対応できる」と期待

【兵庫県警少年課 大下泰史課長】「去年の事件を受けて、警察と児童相談所との間で何かもう一歩できないかと協議リアルタイムに共有するということで、このシステムを構築しました。警察としては、実際に現場で児童虐待があるのかないのか、児童相談所の情報をもとに、一歩踏みこんだ調査ができる」

【兵庫県福祉部児童家庭課 助野吉郎課長】「これまで(共有が)月1回だったのが、(リアルタイム共有で)いま起きたことに、少しでも早く対応できるのではないか、と考えています」

都道府県単位でこうしたシステムの運用を始めるのは埼玉県に続き、全国で2例目となります。

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