Q ジャムを作ったら、水っぽくサラサラになってしまい、固まりません。どうしたらいいでしょう。  強火で均一に煮詰める  旬の果物は香りが良く、気持ちもフレッシュになりますね。まずは生で食べて楽しんだら、次に保存食のジャムにして味わってみましょう。5月頃まで多く出回るイチゴを使い、ジャムを作るこつを織田製菓専門学校(東京都中野区)の専任教員、平出(ひらいで)秀雄さん(53)に教わりました。  「ポイントは二つあります。透明感が出るよう、あくをとること。もう一つは均一に煮詰めることです」  それでは順を追って見ていきましょう。  今回は家庭で作りやすい量=材料=で作ってもらいました。イチゴはボウルに入れてさっと水で洗い、タオルなどで軽く押さえて水分をよく取ります。  次に、包丁でへたを取ります。果汁がしみ出やすいように、実を縦半分に切ります。ごろっとした果実感を残したジャムにしたい場合は、実を切らずに使います。今回は、小さめの実はそのままにして、その他は半分に切りました。

イチゴに砂糖をからめる=いずれも東京都中野区の織田製菓専門学校で

 イチゴを鍋に入れて砂糖をかけ、へらで混ぜて、からめます。砂糖を浸透させ、果汁を引き出す作業です。火にはかけません。砂糖の溶けた赤い果汁は、とろりと液状になります。イチゴが8割ほど浸るまで10分近く続けます。丸いままのイチゴは半分ほど浸るまで混ぜます。砂糖はグラニュー糖を使いました。上白糖やきび糖にすると、より甘みを感じる仕上がりになります。

砂糖が溶けた果汁に8割ほど浸るまで混ぜ続ける

 いよいよ火にかけます。平出さんは、鍋肌に残った果汁をそっと拭き取りました。こげつかないように、という一手間です。  まずは弱火で、こがさないように時折鍋を回します。白いあくが出てくるので、スプーンですくったり、表面をキッチンペーパーで押さえたりして、取り除きます。  あくを取ったら、強火にして、へらで混ぜながら煮詰めます。均一に煮詰めることが大事です。  「この煮詰め方が足りないと、ジャムがサラサラになってしまいます」  まんべんなく混ぜているつもりでも、へらが届きにくい部分もあります。むらがあると、平出さんは鍋を火から外して全体を混ぜ、また戻していました。  全体がとろりとしてきたら、香り付けのレモン汁を入れて、また混ぜます。温度が105度ほどになったら火を止めます。  火にかける時間の目安は、あくを取るまでが10分、煮詰めるのが20~25分。

温かいうちに保存用の瓶に入れて冷ます

 温かいうちに保存用の瓶に入れて冷まします。できたてのジャムを生のイチゴにかけて食べたら、新鮮さと甘さが引き立ち、ぜいたくな味わいがしました。  かんきつ類など水分の多い果物でジャムを作る場合は、砂糖を多めにするか、市販されている食物繊維の「ペクチン」を使うといいそうです。(鈴木久美子)

◆材料

イチゴ 200グラム グラニュー糖 100グラム レモン果汁 3グラム(大さじ3分の1程度)

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