富士山の吉田ルートで今夏導入された登山規制をめぐり、山梨県の長崎幸太郎知事は2日、来夏から5合目に設置したゲートの閉鎖時間の前倒しを検討していることを明らかにした。1人2千円の通行料と任意の協力金1千円の統合を検討していることも明らかになった。

 この日の県議会の代表質問で答弁した。

 県は今夏、夜通しで一気に頂上を目指す弾丸登山を防ぐため、午後4時~午前3時はゲートを閉鎖していた。だが、閉鎖間際に通過する「駆け込み登山」の発生が指摘されていた。長崎知事は答弁で、これを防ぐため「ゲート閉鎖時間を前倒しする方向で検討する」と述べた。

 また軽装登山を防ぐために「予約システムで必要な装備の持参を登山者に誓約させる仕組みや、富士山レンジャーなどの指導権限を強化することも検討する」と答弁した。

 また通行料と協力金については、県幹部が「並立するのは分かりにくいとの意見を踏まえ、二つの制度の統合について検討する」と答弁した。

 県によると、軽装登山の対策としては、スマートフォンなどから登山の予約をするシステム上で、防寒着や雨具など必要とされる装備にチェックを入れて、持参を誓約することなどが考えられるという。

 また、富士山レンジャーやゲートの警備員の権限強化により、必要な装備を持参しているか、一部の登山者の持ち物を点検するなどして、持参していない登山者にはレンタル用品の利用を促すなどできないか、検討を進める。

 通行料と協力金の統合について、県幹部は「統合されれば、支払いは義務となり、金額が3千円を下回ることはないでしょう」と取材に語った。(三宅範和)

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