約60年ぶりにウイスキー作りを再開し、完成した商品を手にする明利酒類の加藤高蔵会長(右)と喬大常務=水戸市役所で2024年9月26日午後4時17分、鈴木敬子撮影

 水戸市の老舗酒造会社「明利酒類」が約60年ぶりにウイスキーの製造を再開し、3種類のウイスキーが完成した。1日に発売し、県内を中心としたバーや飲食店、スーパーなどで取り扱われている。看板商品「百年梅酒」の製造に使われ、梅酒の香りが染み込んだ樽(たる)で熟成させたため、フルーティな味わいを楽しめる。

 明利酒類は1952年にウイスキーの製造・販売を開始したが、59年に火災で工場を焼失。以後、製造を断念していた。2020年、先人たちの志を引き継ごうと、加藤喬大(たかひろ)常務(33)らが埼玉県秩父市など全国の蒸留所を巡り、ウイスキー製造に関する知見を深めた。中断していた間もウイスキー作りに必要な発酵、蒸留、熟成の技術が培われていたといい、22年、それらを結集させて製造を再開した。

 完成したのは、初代社長の名を冠した「高蔵 REBORN」や同シリーズの「PLUM WINE CASK FINISH」など。9月26日には、加藤常務と加藤高蔵会長(73)が高橋靖・水戸市長を表敬訪問し、完成を報告した。加藤会長は取材に「茨城、水戸でウイスキー文化をさらに高めていくためにも、しっかりとしたものを作っていきたい」と話した。【鈴木敬子】

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