理系の女性研究者を増やそうと定員の一定数を女性に割り当てる「女子枠」の導入が大学の理工学部を中心に広がっている。公益財団法人「山田進太郎D&I財団」によると、理系の学部に女子枠を設ける大学は2024年度40大学に上ったという。
財団によると、女子枠を設けているのは、名古屋大、金沢大、大分大、東工大、東京理科大などで、導入の効果などについてアンケートを実施した。
3月に発表した調査結果によると、兵庫県立大の工学部では学生の女性比率が導入前の10%から15%にアップした。芝浦工大でも進学相談会の参加者の半数を女性が占めるなどの成果があったという。
一方、回答した24大学のうち9割ほどは23年度から導入を始めたばかりで、7大学は女性の入学者が女子枠の定員を下回った。財団は周知不足などが要因とみている。
また、導入について「逆差別だ」「大学のレベルが下がる」などと否定的な意見が学内外から寄せられた大学も4割強あった。
財団の担当者は「性別に関係なく進路を選択でき、いろいろな人が力を発揮できるように理解が広がってほしい」と話した。【西本紗保美】
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