秋田・大仙市にある工業高校に、ロボット製作を通してプログラミングや組み立ての技術を磨いている「ものづくり同好会」がある。作っては改善する作業を繰り返しながら、先輩から後輩へと代々受け継がれてきたものづくりへの思いを紹介する。

試行錯誤を経て大会では好成績

動き回る様々なロボットを開発したのは、大仙市の大曲工業高校ものづくり同好会に所属する生徒たちだ。ものづくり同好会は、テストや行事などがあるときを除き、月曜日から土曜日まで週6回集まり、3~5人のチームを組んで大会に向けてロボットを作っている。

ロボットを組み立てる部員たち
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話し合いを重ねて設計図を書き、パソコンを使ったプログラミング、さらにロボットを組み立てるまで、作業の全てを自分たちで行う。

ものづくり同好会は、2023年に東京で開催された自作ロボットの性能を競うワールドロボットオリンピアードジャパンのミドル競技シニア部門で優勝するなど、大会で好成績を残している。
2024年10月には、栃木県で開かれた全国高校ロボット競技大会にも出場し、集まった強豪校を相手に準決勝まで勝ち進んだ。

2024年10月に開かれた全国高校ロボット競技大会の様子

大会によってルールは変わるが、ロボットをリモコンで操作し、3分間でアイテムを指定の場所に移動させて正確性やスピードを競う。

部長の塩寺悠平さんは「ロボットを試行錯誤する上で、何かしら問題が出てきて、それを対処するのが難しい。部員の人たちと話し合って対処できるように頑張ってきた」と語る。

受け継がれてきた“躍進”

製作したロボットに刻まれた「Yakushin」の文字には、日々新たなことに挑戦し、技術を磨き、仲間とともに成長していこうという意味が込められていて、大会に出場するチーム名になっている。

塩寺さんによると、「躍進(Yakushin)とは大曲工業高校でよく使われている言葉で、先輩たちの代からこの言葉を受け継いできた」という。

引退時にロボットを分解しパーツなどを後輩へ

12月に開かれる大会を終えると3年生は引退。製作したロボットは分解されるが、うまくできたパーツやプログラミングなどはそのまま引き継ぎ、より使いやすいように改良されていく。

顧問の鎌田正樹さんは「先輩が試行錯誤して、作っては改善してを繰り返してきたものなので、後輩たちに受け継がれて使われていくのは先輩たちもうれしいと思う。それを使って後輩たちが技術を習得していくところがいいところだと思う。多くの生徒がこの部活に参加して、将来の産業を支える人材になってほしい」と語った。

先輩から後輩へつなぐもの

ロボット製作では、先輩後輩を気にせず、より良いものを作るために意見を出し合うことを意識している。

大西和真さん(1年):
プログラミングがうまくいかないときに、「数値もう少し下げた方がいいんじゃない」と先輩にアドバイスをもらったりしたので、後輩が来たらそのようなこともアドバイスできたらいいなと思う。

草なぎ(なぎは弓へんに剪)琢心さん(3年):
自分たちの技術を引き継いで、これからも大会で良い成績を残していってほしいと思う。

受け継がれていく技術や思い。大曲工業高校ものづくり同好会はこれからも躍進していく。

(秋田テレビ)

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