日本と欧州連合(EU)は30日、デジタル分野での協力推進を目指す閣僚級会合をブリュッセルで開いた。インターネット上での個人や法人の属性を示す情報について、日EU間での相互運用を推進する。具体的には、転職や留学で用いる学歴などのデータを互いに流通させる仕組みを2024年中に先行開始できないか検討する。
日本が提唱するDFFT(信頼性のある自由なデータ流通)を目指す動きの一環で、閣僚級会合の開催は昨年に続き2回目。日本からは河野太郎デジタル相と松本剛明総務相らが、EUからはEU執行機関である欧州委員会のブルトン委員(域内市場担当)が出席した。
会議に関連し、河野氏とブルトン氏はネット上で用いる人や法人の属性情報について、日本とEU域内での処理技術や精度の違いなどを整理した上で、早めに相互運用できそうな分野を探すことで合意し、覚書を交わした。属性情報は氏名や国籍、連絡先から趣味に至るまで広範囲にわたるため、全分野での共同運用を実現するには時間がかかる。そこで、まずは転職や留学のためのデータ流通に絞って議論を進めたい考えだ。
そのほか、昨年の会合で決めた半導体分野や日EU間を結ぶ海底ケーブルに関する連携について、改めて強化する方針を確認した。【ブリュッセル岡大介】
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