佐賀県沖の有明海で、ノリの摘み取り作業が本格化している。3年ぶりの販売日本一奪還に向け、夜通しの作業が続く。

 20日夜、真っ暗な有明海に漁船の光がいくつもともり、エンジン音が響いた。作業船が網を引き上げて回転式のカッターの上に載せ、前に進むと、15センチほどに伸びたノリが船の上に切り落とされていく。

 脱サラしてノリ漁師6年目という糸山大貴さん(35)は「摘み取りは18日から始めた。2年続けて色落ちがあったが、今年は黒くて良いノリが取れている」と手応えを話した。

 県有明海漁協によると、今季は種付け解禁日の水温が高く、ノリ胞子の網への定着が順調でない例もあったが、適度な雨で川から流れ込む栄養塩が豊富にあり、気温が下がって赤潮も消えてきており、ノリの成長には期待ができるという。

 年明け以降に海に張り込むため冷凍保存する「冷凍網」も順調に確保できそうだという。

 口溶けが柔らかく風味も良いため高値がつく一番ノリは、初入札が28日。この日の販売枚数は前年より1500万枚ほど少ない8千万枚を見込んでいる。(渕沢貴子)

【動画】佐賀県沖の有明海でノリの摘み取りが本格化=渕沢貴子撮影

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