めったにない「異種間接近」。北海道根室市郊外で放牧中の馬の近くに1日、エゾシカの大群が現れた。道内で激増中のエゾシカは、ハンターに追いかけられて活動の時間帯を夜に変えつつあり、昼行性の馬と行動時間が異なる。だが、餌の乏しい春先ということもあり、エゾシカが柵を飛び越えて馬の放牧地に侵入したらしい。
十数頭の馬がのんびりと草を食(は)む中、牧草地の奥から現れたのは、70頭近いエゾシカの群れ。馬のいる放牧地においしい草でもあるのか、次第に距離を詰めていった。
対照的に馬は、エゾシカの接近にもまるで動じず、無言で「バサッ、バサッ」と草を食む余裕をみせた。やがて、一頭のエゾシカが「キューン」と鳴くと、群れは一斉に柵の外へ逃げて行った。【本間浩昭】
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