宮崎特産のきんかんが、猛暑と雨不足で生育に影響を受け、出荷量が例年の8割に減少する見込みだ。初競りでは価格が上昇したが、果実の落果やサイズの縮小も報告されている。生産者は味への自信を持ちつつも苦境を訴えている。
猛暑と雨不足で生育に影響
朝晩の冷え込みが強まり、冬が近づいてきているが、ほんの1カ月前までは厳しい暑さだった。この夏の記録的な暑さにより、これから旬を迎える宮崎特産のきんかんの生育に影響が出ている。
この記事の画像(5枚)11月7日、宮崎市中央卸売市場で行われた温室きんかんの初競り。串間市で生産されたきんかん675キロが出荷され、このうち250パック・52キロが競りにかけられた。温室きんかんは例年、1キロあたり1400円程度で取引されているが、7日は初競りということもあり最も高いもので1キロ2000円で競り落とされた。
宮崎県が生産量日本一を誇るきんかん。しかし、今、生産現場はピンチを迎えている。
秦萌記者:
こちらが清水さんのハウスです。きれいなきんかんがたくさんなっていますね。今年の出来はどうですか?
JAみやざき 串間市大束地区本部 柑橘部会 清水保博部会長:
夏場の猛暑、そして雨不足で落果が見られた。この下にものすごく落ちた状態だった。落ちた形跡が、このような白いところ。被害はかなり大きい。
JA串間市大束地区本部によると、今年は、夏場の猛烈な暑さでハウス内が40度を超える日が続いた上、雨不足の影響で多くのきんかんが落果。今シーズンの出荷量は例年の8割程度に落ち込みそうだということだ。
JAみやざき 串間市大束地区本部 柑橘部会 清水保博部会長:
水不足が長く続いたので、初めての経験。せっかく花を咲かせて実にしたところで高温で落果すると心が折れてしまう。
「たまたま」のサイズにも影響が…
温室きんかんは 11月末から12月初旬にかけてが出荷のピーク。そして、年明け1月中旬からは最高ブランドである完熟きんかん「たまたま」の出荷が始まる予定だが…。
JAみやざき 串間市大束地区本部 隈田原翔哉営農指導員:
たまたまも、果実の落果があるほか、例年と比べると1〜2ミリ、玉のサイズが小さくなっている。
天候に左右されながらもこれから旬を迎える宮崎特産のきんかん。ビタミンCが豊富なので、丸かじりしてもらうのが一番おいしいという。生産者は「出荷量は減るものの、一つ一つ大切に育てたきんかんをぜひ味わってほしい。」と話していた。
(テレビ宮崎)
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