鉄道がなく、公共交通機関がバスだけという宮崎県西都市で、「自動運転EVバス」の実証実験が始まりました。

出発式には、西都市の橋田和実市長やNTT西日本、宮崎交通など関係者が出席。NTT西日本の担当者から、自動運転EVバスの車輪や充電の状態を遠隔で管理することや、カメラや赤外線センサーを使って障害物を感知することなどが説明されました。バスの座席は6つ。最大10人乗りで最高速度20キロで走ります。

(早瀬 純哉 記者)
「今回の実証実験では、手動での運転も行うということで、車内には運転手が1人います。珍しいのが、手元にあるのはハンドルではなくてコントローラーなんです。」

県内では初めてとなる自動運転EVバスの実証実験。加速や停止などの制御は自動で行われ、信号や交差点への侵入などを乗務員が判断して操作する「自動運転レベル2」での運行です。

(早瀬 純哉 記者)
「いまからカーブに差し掛かりますが、乗務員がコントローラーから手を離した状態で緩やかに方向を変えています。EV車両なので、音も静かでスムーズに走っています。」

バスは市街地を中心に、市役所や体育館、スーパーなどを経由するおよそ4キロを周遊します。一般向けの試乗は12月2日から24日までの予定で、無料で乗車できます。西都市が自動運転EVバスの導入を目指す理由は…

(西都市 政策企画係 浜砂宏基係長)
「免許返納率を高めるための取り組みとして進めていきたいと考えております。交通事業者にとっては、運転手不足という新たな課題がでてきているので、自動運転技術で課題解決を図りたい。免許を返したくても、生活のために返せないという声をいただいている。」

西都市は2027年の運用を目指しています。ゆっくりした速度で走るため、渋滞など安全面や運転の精度の向上などが課題で、将来的には観光地での活用も視野に入れて実証実験を行うことにしています。

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