新潟県上越市で2024年、建物の密集地で大規模火災が相次いで発生した。長屋など建物同士がつながる密集地域では、ひとたび火が出ると大規模な火災につながるケースが多く、地域住民は危機感を募らせている。こうした中、市内の商店街で消防訓練が行われた。
“建物密集地域”で相次いだ大規模火災
11月17日、上越市本町にある商店街で消防訓練が行われた。一般住宅から出火した想定で行われ、消防署の関係者や地域住民など、約100人が参加した。
この記事の画像(12枚)この訓練の背景にあるのが、上越市本町で2024年相次いだ大規模火災だ。
10月20日には住宅や空き家など6棟が全焼し、男性1人が死亡。近所に住む男性は「急なことでびっくりした。いきなり一気に火が広がった」と話した。
上越市本町では、2月には6棟、3月には8棟の建物が燃える火災が発生。
こうした本町の商店街のように建物と建物が密接して立ち並ぶ区域では、消火活動も困難を極めるという。
上越南消防署の保坂達也署長は「住宅密集地特有の1軒燃えると数軒同時に燃えてしまうといった建物の構造上の問題。こういったことも今後、消防の方で消火方法を研究することが課題」と話す。
訓練に参加した住民も危機感「あすは我が身…」
17日の訓練でも消防が延焼を抑えるための放水訓練を行ったほか、住民による初期消火や避難の訓練を実施。
訓練の参加者から聞こえてきたのは「あすは我が身ではないが、そういうことを意識してやった」「やはり、一つ一つの店舗の距離が短いので、注意しなければいけないと思う」などという強い危機感だった。
本町5丁目町内会の大原壮一郎会長は「昔からの街並みなので、一度そこで火が出ると5軒~10軒すぐに燃えてしまう。非常にそこが気がかり。これから火を使う時期になるので、町内一丸となって防火に気をつけていきたい」と話した。
ストーブの使用増える時期…「強い意志で火災予防を」
消防は「火災は地震などの災害と異なり、努力で防ぐことができる」として防火意識の強化を呼びかけている。
保坂署長は防火対策について、「強い意志で火災予防に取り組むことに尽きる。冬にやりがちなストーブの上で洗濯物を乾かすといったことは絶対やめていただきたい」と暖房器具の使用などが増える季節に向け、注意を呼びかけた。
(NST新潟総合テレビ)
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