大阪大学の山本賢一准教授と岡田随象教授らは、縄文人に由来するDNAの割合が現代日本人の体格指数(BMI)と関連しているとの研究結果をまとめた。縄文人の祖先から受け継いだDNAが現代人の肥満のリスクを高めている可能性があるという。
金沢大学やアイルランドのダブリン大学などとの共同研究で、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
研究チームは縄文人やユーラシア大陸の古代人のDNAと、国内のデータベースから集めた約25万人の現代日本人のDNAを統合して解析した。現代日本人のDNAについて縄文人の祖先に由来する割合を推定すると国内で地域差があった。本州の各地域と比べて北海道の一部や南西諸島の人は「縄文割合」が高かった。
現代日本人の縄文割合と様々な体質や病気との関連を調べたところ、縄文割合が高いほどBMIが高いという相関関係が見つかった。主に狩猟採集を営んでいた縄文時代と現代では生活環境が大きく異なることが影響し、現代人は縄文人から受け継いだDNAによって肥満になりやすくなっている可能性がある。
現代人のDNAのうち縄文割合と関連する箇所も推定し、約130カ所を見つけた。これらは筋肉や骨の遺伝子に関わるものが多かった。阪大の山本准教授は「縄文人が狩猟採集のために動いていたことと関係しているのではないか」と話す。
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