国内最大の「食品公害」とされるカネミ油症の患者を追ったドキュメンタリー映画が29日から長崎市内で上映されています。

映画
「背中いっぱいにできたおできのようなぶつぶつ。それは顔にも、そして全身へと広がった」

ドキュメンタリー映画「母と子の絆 カネミ油症の真実」です。

長崎市の長崎セントラル劇場で上映が始まりました。

カネミ油症は1968年に発覚した「食品公害」です。

PCB=ポリ塩化ビフェニールなどが混入した米ぬか油を食べた人たちが健康被害に苦しんでいます。

映画に登場したある女性患者は油を食べて10年以内に3人の子供を産み、このうち長男は生後4カ月で亡くなりましたが、患者と認定されていません。

稲塚秀孝監督は舞台あいさつで、女性の子供3人のへその緒を民間の機関で検査したところ、高濃度のダイオキシン類が検出されたことを明かしました。

稲塚秀孝 監督
「へその緒がまた一つ大きな重要なファクターとして、カネミ油症の被害者の方の救済につながるきっかけにはならないかなと思っているところです」

映画を見た人
「すごく家族とか本人たちが苦しんでいると思ったので、その人たちの声も聞いてほしいと思いました」

長崎本渡地区油症被害者の会 下田順子 代表
「救済をすべきところ、なすべきところ。そういうところが国民の命を守るということですよね。きちんとやっていってほしい」

映画は12月5日(木)まで毎日、午前10時20分と午後5時30分から上映されます。

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