写真はイメージ=ゲッティ

 新型コロナウイルス感染症の後遺症の診察について、愛知県が県内の医療機関にアンケートしたところ、35%が「他の医療機関を紹介した」と回答した。後遺症を訴える患者に医療機関が対応しきれていない実態が浮かび上がった。後遺症についてはいまだ不明な点が多く、県は2025年度から、最新の研究結果などを伝える医療機関向けの研修会を開くことを決めた。

 アンケートは6月26日から1カ月間実施し、509医療機関が回答した。後遺症を訴える患者の対応を尋ねる設問(複数回答可)について、45%が「自院で対応」、35%が「他の医療機関を紹介」と答えた。さらに13%が「かかりつけ患者のみ自院で対応」とし、かかりつけ患者以外は対応していなかった。

 他の医療機関を紹介した理由でもっとも多かったのが、「対応できない症状だった」の54%。次いで「ほかの疾患との鑑別が必要だった」の29%だった。

 87%の医療機関が「診療や治療方法が確立されていないこと」を後遺症診療の課題と指摘しており、県は「後遺症の治療方法や研究などについて積極的に情報収集し、医療機関に情報提供することで、後遺症に幅広く対応できる体制を整える」としている。【荒川基従】

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